「心地よいアゲンスト」
「心地よいアゲンスト」が意味することは、自分のポジションが相場の流れと逆向きであるにもかかわらず、むしろ、納得して相場を観察することが出来ている状態を指します。
具体例を挙げると、仮に、ロングポジションを既に持っており、しかも評価益も既に含んだ、まさに利が乗っている状態にあるとします。そして、ある経済指標が発表になり、事前予想より悪化したことで、相場が売られ、自分のポジションの方向と逆向きの動きが見られ、評価益が減少したとします。
そんな時、普通であれば、「ああ、やられた」と悲観的になり、どうして、経済指標発表前に利食いを入れなかったのだろうと自分を責めてしまうところでもあります。しかしながら、この場合では、むしろ、「理想的な押しを入れた」とか、「今後上昇する為の踏み台が出来た」という相場判断をすることが出来るほど、ストレスなく冷静に相場を観察することが出来るというものです。
さらに言えば、既に市場に積み上がっていたロングポジションの調整が進んでくれている、そして、むしろ弱気な市場参加者が増えてくれると余計に相場が上昇しやすくなる、などという風に、アゲンストの状態を楽しむくらいの心の余裕が出来ることを、「心地よいアゲンスト」と言うわけです。
もっとも、なんの判断根拠もなく、ただ漠然と、勘だけで判断するのではなく、それなりの具体的な判断基準なりがあることが前提条件となります。さもないと、ただ単に希望的観測だけの呑気で場当たり的なトレーダーに堕してしまうからです。
もちろん、具体的判断基準を持っている場合でも、ただ感覚的に、「良い感じの押しが入っている、この分だと、あく抜けして、逆に、相場が上がりやすくなり そうだ」という鋭い読みをすることが出来ることはあり得ます。それは、恐らく、元々、相場センスのある人かもしれませんし、長年の経験から生まれた「相場勘」が背景かもしれません。
いずれにしても、普通に訓練を受けてトレードをする多くの個人投資家にとって、自分自身それなりの判断基準を持ち合わせているならば、目の前のマーケット の動きを見ていて少々、アゲンストになったとしても、ジタバタせずに相場を観察するぐらい心を落ち着けておくことのメリットは計り知れないと思います。その為にも、相場観測の為の「相場判断技術」を習得することはとても大切なことだと思うのです。
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