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マーフィーの日々是好日

苦しい時は、ポジションを減らそう!

トレードをしていて苦しい時は誰にでもあります。考えた挙句にようやくポジションを持った途端にアゲンスト(逆方向)に向かうことは決して珍しいことではありません。

そして、相場が自分のポジションの方向と逆方向にどんどん推移、展開していくと、よほど、鈍感な人でもない限り、内心穏やかなならぬ精神状態になってしまいます。

そして、山っ気のある人は俗に言うナンピンを入れて、さらにポジションを増やしてしまいます。ナンピン全てが悪いわけではなく、ただ闇雲に行うナンピンによって、さらに危険な状態に陥ってしまいます。

こうなると、大抵の場合、精神的にコントロール不能となってしまい、さらにアゲンストに推移する相場を茫然自失で眺めているだけの状態になってしまいます。そして、自分の保証金の額は必要保証金に足りているのかどうか、マージンコールがかからないかどうか、ロスカットレベルがヒットしないかどうか等々を、ただ受動的に見ているだけになってしまいます。

こんな状態にならないように、普段から資金管理、ポジション管理をしっかりと行うことが大切なのは当然なのですが、もし、仮に、こうなった時に、お勧めすることは、まずは、ポジションを減らすことです。

いきなり全てのポジションをカットするとなると、最悪の精神状態からして、それこそ、ド高値、ド安値でカットしかねませんので、せめて一部、3分の1なり4分の1だけ、いや、5分の1だけでもポジションカットしてみるのです。

すると、不思議なほど、心が冷静になることが分かります。そして、自分の行動を客観的に判断出来るようになります。そうすると、相場を改めて沈着に観察することが出来、その結果、自分の判断が間違っていたと気付けば、残りのポジションを手仕舞するなり、調整するなり、つまりは、ポジション管理をすることが出来るようになるわけです。

こんな方法もあります。それは自分の腐ったポジションの一部でもマーケットに「生贄(いけにえ)」として捧げる感覚で、ロスカットするのです。すると、それをきっかけに相場の流れを読みやすくなることがあります。そして、不思議と、残りのポジションが花開くかのように、相場展開が自分に有利に推移することがあるのです。いわば、「相場の神様」が猶予を与えてくれるようなものです。

いずれにしても、ポジションを減らすことで、自分の精神状態をコントロールすることが出来るようになり、冷静になって、客観的な判断が行えるようになるという大きなメリットがあります。このように、トレードにおいて、精神管理は、大変に大きな要素だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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