「自動売買」に絡んで思うこと
最近、FXの世界ではEA(Expert Advisor)を用いた自動売買が話題となることは決して珍しくありません。特集記事もよく目にします。EAとは、要するに、具体的なトレード方法は様々あるとして、PC(パソコン)に任せてしまうシステムトレーディングのことです。
私は個人的には、システムトレーディングに対して疑問を持っている人間で、自分の不勉強もあるにせよ、現時点では、トータルで考えて、あまり価値を見い出すことが出来ません。
確かに、私は、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を駆使してトレードするので、スタイルとしてはテクニカル分析に属するとは思いますが、個々の局面では、大いに恣意的な判断が必要となります。そもそも「テクニカル分析」は恣意的なものだというのは、よく言われることでもありますが・・・。
そして、この恣意的な判断は、相場研究や経験からの学びによって成長、進化していくものだと考えています。そこには、人間としての成長も伴なっていくわけです。その意味で、単なるテクニックではないと思っています。
ところで、将棋で有名な羽生善治氏が自身の著書「大局観」にて、2010年にあったコンピュータとプロ棋士との対決に絡めての感想として、興味深いことを書いておられます。
羽生氏曰く、コンピュータ将棋というのは、基本的に可能性のあるあらゆる手を全て読んで最善の手を探していくもの、計算をたくさんしていくことで、より正確さを上げていくものである一方で、人間の場合は、将棋の実力が上がるほど、考える手はだんだん少なくなっていくとのこと。
つまり、プロ棋士は、局面を見た瞬間に、3手くらいに絞り込むことが出来、あとの何百、何千という手は捨てるというのです。この箇所を読んだ時、私は唸るものを感じました。
まさに、コンピュータと人間は、考えていく方向性として、正反対であると言えます。たくさんの手を考えるコンピュータに対して、極力手を考えない人間というわけです。あれもこれもではなく、あれかこれかに絞り込むこと、複雑なものを単純化する作業こそ、人間ならでは産物だと思えるのです。
そして、羽生氏はコンピュータの指し手に対して違和感をもっておられるそうですが、私も、上記で書いた通り、システムトレーディングに対しては違和感を持っています。個人的には、人間の英知のようなものが、やはり人間が生み出している「相場」に対処するにはベストではないかと思うからです。さらに、この人間の英知を高めることに「ロマン」すら感じる次第です。
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