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マーフィーの日々是好日

自らの煩悩に打ち克つこと

相場は誰でも簡単に出来ます。FX会社や証券会社に口座を開くことはごく初歩的な質問に答えるだけで簡単に出来てしまいます。そして、トレード開始にあたって必要な資金についても、今やごく少額でもOKです。また、相場は誰でも「予想」出来ます。大雑把に言って、相場は上がるか、下がるかしかないわけで、小学生でも出来ます。

このように考えると、FXはほとんど誰でも、その気になればいつでも簡単に始めることが出来るということです。口座を開いて、ポジションを持った瞬間から、市場参加者の一員になれるわけです。

しかしながら、現実問題、収益をコンスタントに残すことは難しいです。生涯収益(キャリアプロフィット)で見て、7割が損失を出し、2割がトントン、1割の人がプラス、ごく少数の人がしっかりプラスというイメージでしょうか。

理由は簡単です。相場は、「人間の煩悩」に逆らうように行動しないと損するようになっているからです。「煩悩」は簡単に言うと、「欲、怒り、迷い」です。普通の人間、つまり最低でも8割の人は、煩悩の赴くままに行動するわけですから、相場ではうまくいかないのは当然です。普通の発想をして普通に行動すれば、「自動的に損をする」ように出来ていると言っても過言ではなさそうです。

それでは、どうすれば良いのか?人間の煩悩とは関係なく行動出来るように、「ルール」を設けて、それに従って行動することです。その為の訓練も必要でしょう。もちろん、精神的な鍛錬も大切です。尚、この「ルール」は、別名、「信念」と言い換えても良いと思います。

ところで、私は、この「ルール」を「トレード技術」であると考えています。「トレード技術」に基づいた「ルール」を持っていない方は、悲しいかな、相場で「破綻」するのは時間の問題となります。

尚、相場は、「ファンダメンタルズ」では勝てません。益々不安になり、ストレスをためるだけだからです。その為、私は、「ファンダメンタルズ」のことを「不安だメンタルズ」と呼んでいます。大事なことは、正しい「トレード技術」に基づいた「ルール」に従って、正しくトレードすることだと思います。

そして、人間の煩悩の影響を受けすぎないように、出来る限り、客観視するぐらいの精神状態を保ち、少々の損失を出しても落ち込まない一方で、利が乗っている時は、出来るだけ利益を伸ばすようにすることが肝要です。

ただ、言葉では、利益を伸ばすことが大事と言っても、思いや掛け声だけでは所詮は到底無理です。実際には、「ルール」を持っているかどうか、そして、その「ルール」に従うかどうか次第ということになります。そして、その「ルール」を心の底から信じることが出来るかどうかだと思います。その意味での「信念」を持ち続けることが出来るかどうかが肝心だということです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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