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相場は「運」で勝てるでしょうか?

相場は運で勝てるでしょうか?

相場に真剣に取り組んでおられる方からは、相場は運で勝てるわけではない、まさに自分の実力次第である、という意見が聞こえてきそうですが、私が思うに、やはり、「運も実力のうち」だというのが、正直な感想です。

こんなことを書くと、意外だと言われそうですが、私が「運も実力のうち」と考えるには訳があります。

「運が良い」とか「運が悪い」と言われますが、「運」とはいうものは、自分では「どうしようも出来ないことではない」と思います。つまり、「良い運」とは、自分の不断の努力、強い意志の結果として、自分で引き寄せることが出来るものだということです。すなわち、「運」は自分が切り拓くことが出来るもの、自分次第で獲得することが出来るものだと思うのです。

具体的な目標を目指した上で、日頃の自分の考え、行動に、首尾一貫としたものがあれば、一見偶然と思えることが周りにどんどん起こってくる確率が上がってくると言われます。これが、まさに「シンクロニシティ」というものです。

同様のことが、相場をやっていても起こるようです。これは、日々のトレードに関してではないですが、少なくとも、私は、相場を極めたいという強い気持ちが あったせいで、自分の相場分析、トレード方法の為の「道具」である「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」に辿り着いたと思っています。特に、「スパンモデル」は、一目均衡表を自分でプログラムしている最中に「偶然に」生まれたものです。

しかし、その偶然が今の自分に導いてくれたと思っています。相場の世界に起きている「マーケットの法則性」を自分なりに突き止めることが出来たのです。それまで、悪戦苦闘していた相場が、まるで違って見えるのようになったのです。だからこそ、「運」は自分で引き寄せることが出来る、と私は信じています。

ところで、不思議なことですが、何か頼ろうとする気持ちがあると、なかなか「シンクロニシティ」が生じにくいのですが、自分で悩んで、自分で答えを出していこうと、ひたむきな努力をしていると、逆に向こうから「シンクロニシティ」が訪れてくる感覚を覚えます。

儲けようという意識が強過ぎると、逆に利益が上がりにくかったりする一方で、相場の流れについていこうと努めていると、逆に利益が後から付いてくるのと似ているかもしれません。

このように、相場に流れているものは、この世に流れているのと本質的には同じである気がします。その意味で、相場にも「運」に近いものが存在しているのではないかと思うのです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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