大胆さと臆病さ
マーケット、相場で生き残るには、「大胆さと臆病さ」を持ち合わせていなければならないと思います。
「大胆さ」については、ほとんどの方が異論のないところだと思います。ある程度のリスクを取るわけですから、それに見合った報酬がなければ誰もリスクなど取りません。
そして、この「大胆さ」と同様に必要とされる資質が「臆病さ」だと思います。
つまりは、危機を察知して逃げることが、生き残る為の大事な要素だということです。いつも積極果敢に攻めているのがディーラー(トレーダー)のように思われる節がありますが、実は、生き残るディーラー(トレーダー)というのは、意外に繊細で、臆病なのです。
例えば、重要経済指標や重要イベント前にポジションを持つことはかなりの大胆さが必要です。それだけのリスクを負うから当然のことです。
具体例として、先週末からの重要経済指標(米国雇用統計)や重要政治イベント(フランス大統領選挙、ギリシャ議会選挙など)を前に、リスクを限定させる方向でのポジション調整は重要なマネジメントと言えます。
つまりは、余程の強い相場観でもない限り、ただ単に大胆に大きなリスクを負うのは危険度を増すだけです。自分のポジションが大きな損失リスクに晒される可能性があるからです。
そのような時は、ポジションサイズを減らすとか、ポジションを一旦は手仕舞うとか、「臆病さ」が必要なこともあるわけです。この場合の「臆病さ」は決して消極的な意味合いではありません。経験や直感を活用して、自らの大事なポジションを守ろうとするわけですから、ある意味、積極的な行動とも言えます。
いわば収益機会を失うわけですから、むしろ、勇気ある行動とも言えるわけです。いつも逃げ足が速いだけでは駄目ですが、「やばい」と思ったらすぐに退却する勇気が必要だということです。だから、臆病であることは決して卑下することではありません。
そして、自分の「軍資金」を無駄に使わないことが出来ることが、過酷なマーケット、相場の世界で生き残るには必要な資質だということです。
ただ、以上のようなことは聞いて分かる、読んで分かるという程度では、いざとなると何も役に立たないものです。つまり、実際の相場の中で、四苦八苦しながら、心身共に学んでいくものです。
とにかく、「相場」ほど、机上の空論が役に立たないものはないと思います。だからこそ、「相場」に揉まれて生きていると、日々、成長しているなと実感します。
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