そもそも、私達人間とは弱い生き物です。例えば、自分なりに描いたシナリオ、つまりは「相場観」を持って相場に臨み、相場が思惑通りに動き出したから実際にポジションを持つに至るとします。しかしながら、相手は相場ですから、自分が思い描いた通りに100パーセント動いてくれるケースはまずありません。

そんな時にどう判断し、どう行動を取るか、ここからはまさに心理戦となります。相場を「戦い」に例えることはあまりしたくありませんが、実際問題、メンタル面のハードルが多く現れてくるのが現実です。

よくあるケースが、相場がひと通り推移していって終わってみれば、当初自分が思い描いていた方向に進んだとしても、途中の動きに翻弄されてしまって、結果としては、ほとんど儲けはないどころか損失を被ってしまうことです。

「あのポジションは一体どこへ行ってしまったのだろう？」という問いをしたくなる場合が起こるのは決して珍しいことではありません。それが相場の世界の特徴です。

相場は波動ですから、一筋縄にはいきません。結末が同じでも、その途中経過次第で、自分のポジションが相場の波で振り落とされてしまうことはよくあります。

そんな時に経験することは、いつもながら、メンタル面の試練です。ただ単純にロスカット注文を置いて知らんぷりというのも1つの実践的な方法ではあります。しかしながら、私達は人間ですからどうしても相場を見てしまいます。そうすると、いても立ってもいられなくなり、余計なトレードをしてしまうのです。

そして、悲しいかな、相場が当初の自分の思惑、相場観通りに推移、展開したとしても、結果が伴わないという事態に陥るわけです。しかしながら、決して悲観する必要はありません。人間の煩悩がある以上はある程度は致し方ないからです。

ですから、いつも謙虚で控えめに構え、おっかなびっくりの感情を交えながら相場に入っていくぐらいで丁度良いということです。それが、普通の人間が相場をやるに当たっての当然の姿勢だということなのだと思います。

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