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マーフィーの日々是好日

「最強通貨」のスイスフラン?!

先日、日本経済新聞の夕刊に掲載されている「FXウォッチ」というコラムにてスイスフランの特集記事が載っていました。

そこに書かれている内容の中で目に留まったのが「金利低く個人は素通り」という箇所でした。まさか、金利差を目論んでFXを取引しようとしている個人投資家が、未だにそんなに多いのかと、目を疑ったのです。

確かに、今でも、豪ドル辺りは高金利通貨であり続けています。持っている円を払って豪ドルを買って、つまりは豪ドルをロングにしておくことで、円との金利差を享受することは出来ます。ただ、この発想はあくまで外貨預金の延長ですから、レバレッジを限りなく小さくしておく必要があるのは言うまでもありません。

ところで、記事の中には、「今年初めから半年間くりっく365で運用を続けたと仮定して成績を試算すると、フランの為替差益はユーロやオーストラリアドルを上回った。」とありました。

ここで気になったのが、「運用」という表現でした。「運用」とは、すなわち、外貨預金という発想をFXに持ち込んでいると見なされます。もちろん、レバレッジをかなり低くして、外貨を買うこと自体を全面否定するつもりはないのですが、為替差益を狙うことが本来のFXという取引の根幹であることから外れているとしか思えないのです。

もっとも、スイスフラン・円相場そのもののトレンドを追った上での運用であればベストであることは言うまでもありません。つまりは、幾ら金利差を狙う目的があるにせよ、第1に重要なのは、その時の相場のトレンドが上昇トレンドにあるかどうかの確認だということです。さもないと、まさに、本末転倒となってしまいかねません。

繰り返しになりますが、外貨預金のつもりでFXをやることを否定するつもりはありませんが、その場合は、レバレッジを相当低くする必要があります。さもないと、相場変動する間にロスカットに掛かってしまう確率が高まります。

本来、FXというのは、相場のトレンドを見出し、そのトレンドに乗ることを第1に考えるべきです。そして、トレンドが月足ベースなのか、週足ベースなのか、日足ベースなのか、それとも60分足ベースなのか、あくまで自分のトレードスタイル(資金量、リスク許容度、収益目標、トレード可能時間帯、等々)に合わせて選択すべきだということです。

だからと言って、FX全てが短期であるわけではありません。時間軸をどの足に設定するかで、トレードスタイルは大きく変化します。FXを取引するに際して最も大切な、トレンドを判断する為の「相場判断技術」なり「トレード技術」を身に付けることが最も大切だと考える次第です。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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