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マーフィーの日々是好日

お金儲けをしようと思い過ぎない方が良い

まるで禅問答みたいですが、お金儲けに執着するとトレードが上手くいかなくなることが多いです。

当然のことながら、お金儲けをすることを第一目的として、FXなり、株式投資をされる方がほとんどだと思います。トレードに伴うスリルを楽しもうとか、ギャンブルとして娯楽にしようと目論んで始める人はあまりいらっしゃらないと思います。

ところが、お金を儲けることを常に念頭に置いてトレードしていると、損失を出すことが怖くなります。「儲けること=良いこと」「損すること=悪いこと」という図式が出来上がってしまうのです。

二元論的発想というのは、トレードでは危険な考え方になってしまいます。利益も損失も1つの結果に過ぎないというぐらいの発想が大切です。つまり、トレードでは、自分の「トレード技術」に従って、チャートの指示に従って淡々とポジション造成、調整、手仕舞いを出来るかどうかが重要な決め手です。

いわば、ゲーム感覚と言って良いかもしれません。確かに、自分のお金を資金にトレードするのですが、まるで、自分のお金でないかのように、ポジション操作、資金操作が出来るようになればしめたものです。

そして、自分のポジションのコストを意識しないでトレード出来るようになれば理想的です。ほとんどの人は、自分のポジションのコストが気になるものです。しかしながら、そのことが、トレードを下手にさせてしまうのです。

一般的に、相場を語るだけの人は、自分でポジションを持っていないケースが大半であり、だからこそ、相場を比較的冷静に見ることが出来ます。だから、手のひらを返したかのように、臨機応変、柔軟に相場観をチェンジすることが出来ます。

しかしながら、ひとたび、ポジションを持たせると、途端に金縛りになったように、あれほど柔軟であった相場観がどこかに消え失せてしまいます。それは、お金儲けをしようする、また、損失を実現させないという欲望で一杯になってしまうからです。もっとも、相場を語るだけにもかかわらず、相場観の良くない人がいるのも事実ですが・・。

もちろん、「言うは易し、行うは難し」であるのは言うまでもないことです。しかしながら、大なり小なり、このことが行えないと、トレードでは失敗する確率が高まります。極論すると、自分の財布に入っている10万円とトレードの資金として利用している10万円とは違うものというぐらいの感覚が必要です。

仮に、トレードする為に、証拠金として預けてある10万円を、財布の中にある10万円と同様に見てしまうと、失うことが怖くなって、トレードすることが出来なくなってしまいかねません。

要するに、お金儲けに拘り過ぎるとお金儲け出来ない、という結果になってしまうわけです。特に、個人投資家は自己資金が元手ですから、この点は特に重要なポイントです。

幾らプロのトレーダーと言っても、所詮は「雇われトレーダー」であり、たとえ損失を出しても、自分の懐が痛むわけではないのです。プロのトレーダーは、収益に応じて給与、ボーナスが決定されると言っても、自己資金でトレードしているわけではない点、個人投資家とは大きな違いです。もちろん、だからと言って、プロのトレーダーのプレッシャーが小さいという意味ではないです。

ここで大事なポイントは、収益を上げることに執着し過ぎることは、結果として逆の結果を招いてしまうものだということ、その為にも、気持ちとしてはゲーム感覚でマーケットに臨むくらいの心の余裕があってこそ、成功率が高まるということです。やはり、メンタル面でのコントロールの重要性が大きいということにもなるわけですが、頭の隅に入れて置くことが大切なポイントだと思う次第です。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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