「あれもこれも」より「あれかこれか」
トレードをしていると、「あれもこれも」と、欲張ってしまう人がいます。実は、私も昔はそうでした。だから、「あれもこれも」と欲張る人の気持ちが良く分かります。
FXを初めてトレードする時は、ほとんど知識がないこともあって、テクニカル分析も1つか、せいぜい2つ程度しか見ていなかったにもかかわらず、しばらくすると、あれこれ勉強し始め、「あれもこれも」と手を広げてしまう傾向があるようです。
実際、私も、邦銀ニューヨーク支店で、外国為替相場を初めてトレードした時に覚えたテクニカル分析は、ポイントアンドフィギャー(P&F)と移動平均線だけでしたが、その後は、もっとより多くのテクニカル分析をということであれこれ本を読んだのを覚えています。
そして、実際の相場を追っている時にも、このテクニカル分析では買いだけど、あのテクニカル分析では売りなんだよな、と言う風に、迷路に入ってしまうのです。
これでは、咄嗟の判断を要求されるFXにおいては、間に合わないどころか、全く役立たないことになってしまいます。最悪のケースでは、自分のポジションの都合に合わせてテクニカル分析を見てしまうようになり、「言い訳探し」の為のツールに堕してしまいかねません。
特に、FXでは、この「咄嗟の判断」に加えて、「タイミングこそ全て」と言うくらい、時間との戦いとなります。少し躊躇すると、あっという間にタイミングを失ってしまい、相場に乗り遅れてしまうのです。
もちろん、これは、デイトレードについての話ですが、日足ベース等、長めの期間のトレードにおいても考え方は同じです。あれもこれもと欲張っているうちに、肝心なタイミングにて乗じるチャンスを失ってしまうわけです。
つまり、「シンプル・イズ・ベスト」と言う言葉ある通り、自分が依って頼りにするテクニカル分析は極力絞った方が良いということです。もちろん、正しい分析手法を選択し、正しく学ぶことを前提とした話ではあります。
尚、上記のことは、別にテクニカル分析に限ったことではなく、ファンダメンタルズ分析に関しても同様です。もっとも、ファンダメンタルズ分析の場合は、常に、買い材料と売り材料が共存していますので、自分のポジションを正当化する為の「口実」に使われてしまうリスクが高まるという問題があります。
そして、挙句の果てには、袋小路に入り込み、ストレスを溜めこむという最悪の事態に陥りかねません。まさに、百害あって一利なし、ということです。私が「不安だメンタルズ」と呼ぶ所以です。
とにもかくにも、「あれもこれも」から早く脱出して、「あれかこれか」の域に達することをお勧めします。さもないと、トレード成果が出ないことはもちろん、精神的にも参ってしまうことになりかねないからです。
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