「昔話」をし始めたら終わりかも
ディーラーの中には、とかく、ディーラーとしての自分の過去の武勇伝を語りたがる人がいます。その中には、大きく儲けたと言った自慢話が多く含まれているようです。
しかしながら、そのような人に限って、損失を出した時の方が多い人が多いようです。トータルすると、ほとんど収益を上げていないか、トントンと言うケースが多いということも言えます。つまりは、トレーダーが昔話をし始めると、もはや、そのトレーダーは「トレーダー人生を終えている」と言っても過言ではありません。もちろん、だからこそ、昔話をして良い時のことだけを思い出して感慨に浸るのだと言われてしまいそうですが・・。
ただ、私は、やはり、今現在の相場と常に対峙していたいと思います。そして、今現在の相場と向かい合う中で、過去の経験則を利用するのは大いに意味があることだと思っています。何故なら、人間というのは、同じことを繰り返す動物だからです。そして、過去上手くいったことよりも、過去上手くいかなかった経験を反面教師のようにして、常に振り返るスタンスで、謙虚な気持ちを持っている限り、大きな失敗はしないと思います。
行動経済学とか、人間の行動を研究対象とした学問分野がありますが、実際にトレードしている生身の自分のことを考えるだけでも、格好のサンプルとなりそうです。そして、サンプル結果をトレード技術の向上に結び付けていければ良いと思っています。
私の夢でもあるのですが、「相場学」なるものを確立出来ればどれだけ幸せかと思います。相場の世界には、数学や物理のように「正解」というものがありません。しかし、対象としているマーケットへ様々な角度からアプローチするには、実に深い知識が必要ですし、各分野の素養が役立つと思います。そもそも、誰もが望んでいる「相場予測」を究めることは並大抵のことではありません。昨今のITの進歩によって「システムトレード」なるものも生まれていますが、そのシステムを生み出すのは私達人間です。
私は個人的には、「システムトレード」を信頼してはいませんが、何と言っても、システムを構築する前に、相場そのものの真理を探究する上でまだまだやらねばならないことが数多くあると思っています。と言うわけで、昔話を懐かしく話している暇はどうもなさそうで、毎日、忙しいとは言え、今も尚、マーケットの中に身をおけることが出来て、本当に幸せだと思っています。
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