トレードを行う目的は3つ(パート2)
ところで、昨今、「システムトレード」が人気を集めていると言われています。この人気の背景は、自分でトレードしても上手くいかないから、機械(PC)に任せてしまおうというものです。
この最近の各FX会社、証券会社が提供しているサービスの質の高さには驚かされます。確かに、レバレッジ規制等もあり、生き残りをかけた各社間の競争が熾烈化しています。そして、手数料ゼロは当たり前、スプレッドも益々狭くなっています。さらに、最近では、約定率の向上も改善しているようです。その分、現場担当者の負担は以前にも増して高まっているようです。
経費削減等の理由から、各社ともにセミナーの数は減っているようですが、それでも情報サービスの拡充には依然として精力的に取り組まれている様子です。このように、お客様である個人投資家にとって実に恵まれた好条件、好環境にも関わらず、相変わらず、FXは難しいというのが一般的な見方のようです。
一時的には収益が上がる時期があっても、その後、評価損を抱えたり、売買損を実現してしまって、次第に自信を失っていく方が多いようです。プロのトレーダーであれば、厳格な社内ルールがある為、ある一定限度の損失を越えれば、強制的にストップさせられるわけですが、個人投資家の方の場合は、次々に自己資金をつぎ込まれて事態を悪化させるケースもあるようです。また、ある程度収益が上がっていても、トレードに伴うストレスや肉体的疲労に耐え切れずに、音を上げてしまう方もいらっしゃいます。
理由はともあれ、結局は自分でトレードする気力が失せてきてしまうことから、機械(PC)に任せてトレードしようという発想につながるようです。確かに、「システムトレード」にはメリットがあります。まずは、心理的ストレスから解放されるということです。あらかじめ利益確定や損失確定のルールを決めておくわけですから、判断を見誤るとか遅れるという事態は原則として生じません。続いて、曖昧さが排除されるということです。つまりは、判断基準が数値化され、売買の為のルールが明確にされる為に、途中経過や結果が客観的に見られるようになることです。
また、その結果、システムに関する様々なノウハウが蓄積されるようになります。そして、まさに、システムの改善につなげることも可能になるわけです。さらに、何と言っても、トレードに掛ける時間が大幅に短縮出来ることです。自動売買という方法を利用すれば、自分が寝ている間も、機械(PC)が勝手に取引をやってくれるわけです。
このように書くと良いこと尽くしですが、実際にはそうは上手くいきません。そもそも、良いシステムはほとんどないという現実です。ある局面、例えばトレンド性の高い相場で上手く収益を残せても、レンジ相場に入った途端に損失が膨らむシステムもあれば、その逆のケースもあります。
それでは、相場の地合いによってシステムを変更すれば良いとなるのですが、その場合は、当然のことながら、恣意的な判断を必要とするわけです。例えば、トレンド相場とレンジ相場の分かれ目の判断ということになります。その他、システムのご操作やプログラムの「バグ」の問題、システムの安定性の問題コンピューターに関する専門知識問題等々、幾つも乗り越えなければならなり課題があるわけです。
それと、大体、世の中で、上手くいっていると宣伝されているシステムはあくまで過去の検証に基づいたものです。つまりは、過去の相場においてもっとも収益が上がる方法をシミュレーションし、最適化した結果、辿り着いたプログラムと言い換えることも出来ます。従って、やはり、信頼出来るものはほんの一握りであると考えざるを得ないようです。
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