ディーラー適正度チェック
以前、邦銀ニューヨーク支店にいた時のボスがディーラー適性度チェックリストなるものを作って、我々部下のディーラー、知り合いのディーラーを「テスト」したことがありました。
その内容は、全て「はい」「いいえ」で答える質問形式でした。この手のリストは当時あちこちで流行っていましたが、私のボスの作品はとりわけ興味深いものでした。
その質問集の中に、こんなものがありました。
「あなたは、高速道路を走っていて、対向車線が混んでいたら思わず、にやっとしますか?」ディーラー適性度チェックから言うと、「正解」は「はい」となります。要するに、ディーラーたるものは、相手の不幸を喜ばなければならないわけなのです。
大荒れのマーケットの中で、大半の市場参加者が自分のポジションで捕まってしまっている時に、自分だけ「抜け駆け」出来るかどうか、周りの目を気にせずに自分のポジションを救いにいけるかどうか、相手が大損をしようが自分だけは助かるべくアクションを取れるかどうか、ディーラーとして成功する重要な要素だということなのです。
その後の自分のディーラー人生の中で、自分だけ儲ければ良いといった感じの連中を多く見かけたのは事実です。自分のロスカットを良いタイミング、レベルで出来れば、その後は他のディーラーがポジションでスタック(捕まって)しようが高みの見物なわけです。
それこそ、他人の不幸を自分の幸福に感じられる、一瞬でもそんなふうに自分の心が変化した時、そうだ、これは以前ボスがディーラーとして必要な要素だと認めたものなのだと、無理に納得したことがありました。
しかし、さすがに自己嫌悪に陥ったのも、正直なところです。嫌な自分の性格に腹が立ったこともあります。しかし、「職業ディーラー」として当然のことだと、自分を追い詰めました。
変な話かもしれません。今の自分はそういう考え方をしてはいけないと思い、出来るだけ皆がハッピーになることを望むような生き方をしているつもりなのに・・・。いや、これは言い過ぎかもしれません。 少なくとも、人の不幸を望んでは結局自分も不幸になるから、そうでない生き方をしなければと思っている、と言った方が正確かもしれません。他人の不幸を望むと必ず自分にしっぺ返しがくる、これはこの世の真理だと思うのです。
さらに、最近思うことは、マーケットとは、とてつもなく大きいということ、たとえ、自分だけが儲かろうしても、しなくても、どうでも良いくらいマーケットの懐は大きいということです。自分の身の回りの人間が収益を上げようと、損失を出そうと、マーケットのスケールからすると、全く取るに足らないことだと痛感します。
マーケットには女神がいらっしゃって、こちらを全てお見通しであること、だから、ジタバタしても仕方ないことが分かります。マーケットの世界の真理を追いかけて、それに従ってトレードしていけば、女神が微笑んでくれるということを、内心感じている次第です。
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