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マーフィーの日々是好日

「相場は高いのか、安いのか」

今日は、「相場は高いのか、安いのか」という命題についてお話してみたいと思います。

為替にしろ、株式にしろ、相場の価格とは、その価格が「どの時点のものか」によって大いに意味が異なるという点を十分に理解しておく必要があります。どういうことか、具体例として、ここでは豪ドル円相場を取り上げてご説明してみましょう。

例えば、1豪ドル=75円の時に豪ドルを買った人は、1豪ドル=80円の時点では、豪ドルが「高い、上がった」と感じる傾向があります。

一方で、1豪ドル=85円の時に豪ドルを買った人は、1豪ドル=80円の時点では、豪ドルが「安い、下がった」と感じる傾向があります。

すなわち、同じ1豪ドル=80円の豪ドル円レートが人によって違って見えるわけです。

別の見地から解説してみましょう。

1豪ドル=85円前後のコストで豪ドルの買いポジションを持っていた人は、1豪ドル=80円、75円、70円と下がっていくにつれて、豪ドルがドンドン安くなっていくと感じます。そして、1豪ドル=65円や60円の豪ドルは、とてつもなく安くなったと感じるわけです。

ところが、相場が落ち着き、次第に現在のレートに対して目が慣れてくる中で、相場が上昇し、1豪ドル=70円程度のレートを見ると、それほど安いと感じなくなります。

同じように、1豪ドル=100円や90円にてトレードしていた人にとっては、80円でも十分に安く感じるわけですが、一旦、60円や55円の相場を見てしまった以上、1豪ドル=80円の相場が、自分が買うには安いどころか、とてつもなく高いとすら感じるわけです。その後、もし90円程度に上昇してくると、もはや買うには高過ぎるとまで感じてしまうのです。

そして、挙句の果てには、当初は買い場を探していたにもかかわらず、相場が高過ぎると判断してしまい、実際には売ってしまうという行為をしてしまうケースも出てくるのです。

上記のごとく、例えば、同じ1豪ドル=80円のレートが、自分が置かれた状況や、それまでの自分のトレードの経緯等々に従って、異なって見えてくるのです。さらに言い換えると、100円や90円から落ちてくる途上で出現する場合か、それとも、60円や70円から上昇する途上で出現する場合かによって、同じ1豪ドル=80円が実に異なって見えたり、感じたりするのです。

このように見てくると、私達人間の目、判断というのは、実に「いい加減」、「勝手なもの」であることがお分かり頂けると思います。つまりは、いずれも、人間の「エゴ」から生まれた判断基準であり、対象物そのものを客観的に判断することが出来ず、全ては自分中心の尺度でもって計られていることが分ります。

本来、相場の「価格」とは、その「価格」が出現する局面によって全く意味が異なるわけであり、「価格」を大きな相場の流れの中で把握してやる必要があります。従って、相場の流れ、言い換えると、トレンドを把握することがどれほど重要か、理解する必要があると言えましょう。

また、上記のことは、相場予想を価格だけでもって行うことの危険性も教えてくれます。いつの時点での価格なのか、ということは大きな判断材料であるわけです。相場を、大きな流れの中で捉えることが、如何に大切かと言う点をご理解して頂きたいと思います。

とにかく、価格そのものが高い、安いという判断は極めて危険です。ましてや、自分の持っているポジションのコストと比較して、高い、安いという判断は言語道断です。今目の前にある相場の価格は、「今の現時点」においてこそ判断されるべきなのです。「相場の現在性」が意味するものは、そういうことであるとご理解頂けると結構かと思います。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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