「相場学」について
こちらのブログをお読みになっておられる方々は、既に相場に関わっておられるわけですので、「相場」に対するアレルギーはさほどないと思います。
しかしながら、一般世間では、まだまだ「相場」に対する理解が進んでいないように感じているのは私だけではないような気がします。
というのも、元々、「相場」と言えば、伝説の相場師であるとか、投機、悪徳先物業者と言うイメージがあるからです。今でこそ、時代の先端を走る業種である「証券会社」も、かつては「株屋」とか呼ばれて、蔑視するムードがあったぐらいです。
しかし、今や、株式投資は一般の家庭でも相当深く浸透しているようです。そして、外貨証拠金取引(FX)の存在も一時ほどではないにしても、取引人口は増える方向にあります。
実際のところ、「相場」的な発想をしないと時代の流れについていきないご時世でもあります。
原油価格が高騰、乱高下することがしばしばニュースになるほど、商品市況が私達の日常の消費にも大きな影響を与える時代です。
ところで、「相場」とは、変動相場というように、自由に値段が付けられる売買取引であり、固定相場とは一線を画すものです。
その意味で、「相場」として一番ピンと来るのは江戸時代の大阪堂島の米取引ではないかと思います。この取引は、世界で最初に行われた「先物取引」と言われています。
あの「酒田五法」でよく知られる日本古来のチャート分析たる「ローソク足」を生んだ土壌が日本にはあるわけです。
当時は、まだコンピューターなど存在していない18世紀初頭でありにもかかわらず、この米相場には算術的なアプローチが使われていたと言われています。これは、既に「相場」と「科学」との接触の始まりであったと私は思います。
その後の足取りを見ると、「相場」はどうも一般庶民からは遠い存在であり、一種、「職人的」とも言える、近づき難い、得体の知れない存在であり続けたのです。
今でも、「相場」を語る上で「ファンダメンタルズ」志向が強いのは明らかです。
私が、以前に、日本経済新聞社やロイター社の記者達に向かって、相場予測を得意の「時間分析」に重きをおいて説明していた折、記者達が「それはとっても面白いし、記事に載
せたいのですが、上司がやはりファンダメンタルズ的な内容でないと認めてくれない・・・」などと言っていたのをよく覚えています。
これが世の中の大衆意見であり、だからこそ、一般的には「相場」が疎んじられてしまうのだなと痛感させられました。だからこそ、8割、いや9割以上の人が「相場」で苦労しているのだなと納得していた次第です。
私は「相場」は「科学」であると思っています。「相場学」と言っても過言ではありません。
「科学」であると認識出来たところから、「相場」を理解始めるのだと思います。もっともっと「相場学」を広めていきたいと思っている次第です。
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