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マーフィーの日々是好日

フラクタル理論と時間分析について(その1)

普段私たちが市場に参加して相場を張る時の判断基準は、過去の動きです。少なくとも過去数ヶ月、相場がどう動いたかを脳裏に焼き付けている為に、これから先の動きを予測する上での決定的に大きな判断材料となります。

「原因」があって「結果」があるという論理は、私たちが自明の理として認識していますが、これを相場の世界に当てはめて考えてみると、「材料」があって、「相場」があるということになります。逆に言うと、「相場」は「材料」がないと動かないということになります。

しかし、果たして現実の相場はどうでしょうか。突然動き出すことがあります。もちろん、大量の玉が出たからとか、背景に需給の変化があるからとか、材料出尽くしとか色々と説明されますが、実際には「材料」が「後講釈」にしか聞こえないケースが大半です。

このような相場の突発的な動きにどう対処すればよいのでしょうか?もちろん、如何なるマーケットでも、買い材料、売り材料は枚挙に暇が無いほど存在するわけで、後講釈的に説明はなされるわけですが、果たして投資家としての市場参加者である私たちはどう行動すれば良いのでしょうか?

ここで、私は、新次元の分析が有効になってくるのではないかと考えます。それは、どんな理論かと言うと、「カオス理論」と呼ばれる新しい分野(物理学)の理論です。定義としては、予測できない複雑かつ不規則な様子を示す現象を扱う理論です(ここで言う予測できないとは、現在人間の持っている数値計算手段ではという意味においてです)。

「カオス」には以下の特徴があると言われます。

1) 自己相似(フラクタル)

2) 単純な数式からランダムに見える複雑な振る舞いが発生する。

3) 初期値のごくわずかなずれが、将来の結果に甚大な差を生み出す
  (バタフライ効果)。

4) 過去の観測データから将来の長期予測が困難となる。

この「カオス理論」を相場分析に応用しようと試みが近年になって現れてきました。それこそ、スーパーコンピューターを用いて血のにじむ研究がなされているようですが、一部は私たちのパソコンでも使用出来るレベルで還元されてきているようです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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