「マーフィーの6法則」第1法則
本日は、第1回目として、「マーフィーの6法則」の1番目の「トレンドに乗ること」についてご説明します。
■まず、相場にはトレンドのある相場と、トレンドのない相場があります。大体の割合にして、トレンドのある相場は3割、トレンドのない相場は7割というところです。
そして、何と言っても、相場で収益を上げることが出来るのは、トレンドのある局面です。この点に関しては、皆様がご自分のトレードを思い出して頂ければすぐに分かることと思います。その為、トレンドが生じたかどうか、トレンドが終わったかどうかの判断がどれくらい正確に出来るかどうかが成功トレードの為の最大のキーポイントです。
毎日のトレードにおいて、ただ儲けることばかりに関心が向かい過ぎると、トレードは上手くなりません。私がお勧めすることは、その日1日の終わりに、「今日は幾ら儲かったか」ではなく、「今日はトレンドに乗れたかどうか」を自問することです。トレードの「結果」にばかり焦点を合わせることは危険であり、トレードの「プロセス」に焦点を合わせれば結果は自然とついてくるわけです。
ところで、利益と損失という2原論的な区別、考え方も危険であり良くありません。ポジション調整の結果、収益が出れば利益であり、そうでない場合は損失という発想が大事。上昇局面ではロング(買い)ポジション、下落局面ではショート(売り)ポジションを取ることが大事であり、利益や損失はあくまでその結果に過ぎないという考え方が大事です。
現在の相場が、上昇相場である、買い優勢である、下落相場である、売り優勢であるという判断を如何に行うかが最大の関心事であるべきです。もしくは、トレンドがある相場か、トレンドがない相場かの判断を行うことが最大の分析対象であるべきです。
FX(外貨証拠金取引)の世界は、「相場観」で勝てるほど甘くはありません。ドル円、ユーロ円、ポンド円等々の通貨ペアに関して、様々な相場予想を見たり聞いたりすることが出来ます。しかしながら、幾らで買う、幾らで売る、いつ買う、いつ売る等々の具体的、実践的なコメントはあまり見られません。もちろん、数値自体は含められていても、その判断根拠について説得力に欠けるものが多いのが実情です。
ここで、ご紹介しておきたい言葉があります。日本が世界に誇る、一目均衡表理論という相場分析手法がありますが、この理論の創始者である一目山人(細田伍一氏)が原著の中で仰っている言葉に、
「相場には上げか下げかの2つしかないのですからこれほど簡単なものはないのですが、それが非常に難しいのは要するにあまりに色々なことを考え過ぎるからであります。」
さらに、
「一般者は、何よりも株価そのものの『現在性』を知ることが大切です。ただ、売りと買いの両者の、いずれが勝ち、いずれが負けているかということを知りさえすれば、それだけ十分であります。」
という含蓄のある一節があります。
昭和44年、今から約40年前に書かれた書物の中の一節です。もっとも、一目均衡表理論そのものは戦前からほんの一部で利用されていました。一目山人翁が亡くなる前に、世の中で間違って一目均衡表理論が伝わっていくのが忍びないとお考えになられて、晩年に書かれた書物が残っているわけです。しかし、内容たるや、相場理論の最高峰とも言うべき、本質が散りばめられています。
トレンドがあるかないかの判断、そして、このトレンドがいつ始まり、いつ終わるかの判断を行えるかどうかが、成功トレードにつなげる為の「第1の法則」というわけです。
このトレンドの把握は、相場にエントリーする、もしくは相場から出る(エグジット)に際してのタイミングの判断につながります。相場はタイミングが全てと言いますが、成功トレードが出来るかどうかは、俗に言う「相場観」ではなく、「トレード技術」が遥かに大事です。「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」はこの「トレード技術」であるということをご理解頂ければ幸いです。
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