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マーフィーの日々是好日

相場の世界の「8つの法則」(前篇)

相場の世界の「8つの法則」をご紹介いたします。

相場と付き合って、相場から収益を得る為には、相場の特性なり特徴を知っておく必要があります。言うなれば、「相場の世界の真理」を理解してくことが大切なわけです。

相場は人間が作っているものであり、構成要素にも各個人が大きな位置をしています。もっとも、集団として行動した結果が相場に具現化されるわけであり、この人間の集団的心理や行動の変化が相場の変動を創っていると言っても良いでしょう。

ところで、この相場の世界ですが、千差万別とも言うべき、それぞれ異なった行動パターンを取る、それぞれの人間が集まって全体で作っているにもかかわらず、結果として現れる相場は、まるで自然界の1つの現象のようです。さて、具体的には、以下の通り、「相場の法則」なるものとして8項目があります。

1)不確実性の法則

2)トレンド性の法則

3)変動率の法則

4)時間の法則

5)価格の法則

6)リスク・リターンの法則

7)精神力の法則

8)調和の法則

です。

これらをご紹介し、簡単に説明を加えていきたいと思います。
尚、今回は前篇として(1)から(4)をご紹介します。

■「不確実性の法則」

相場と言えば、外国為替相場、株式相場、債券相場、商品相場といった、いわゆるマーケット情報が日本、海外問わず、新聞、テレビ、雑誌等を通じて私達の生活に入り込んでいます。自由主義の経済・社会生活を営んでいる限り、また、投資そのものに関わる限り、私達自身、相場とは切っては切れない関係にあると言えます。

ところで、相場とは、ある取引の場で自由に値段付けが行われる売買取引を指すものですが、この相場は不確実なもの、予測不能(ランダム)なものではありません。つまり、相場には相場の世界独自の「法則性」が存在していると私は考えています。いわば「不確実」な中にも「確実性」が存在しているとも言えるのです。

そもそも、相場、すなわちマーケットは人間の行動を反映するものです。個別の人間の行動はバラバラであっても集団としての人間の行動には特徴があります。そうしたことから、「行動経済学」という学問も生まれているほどです。人間の行動にはある決まったパターンが見い出されるというのが背景のようです。

そもそも、人間は、煩悩、すなわち、「欲」「怒り」「迷い」などによって動かされます。また、人間は、遠い過去から繰り返し同じ類の行動パターンを繰り返してきたことが分かります。しかしながら、相場は、一見すると、毎回でたらめに動いているように見えます。買い材料、売り材料が、まるで突然降って湧いたように現れます。そのため、市場は、互いに無数に存在する「買い材料」と「売り材料」がまるで戦っているかのようです。

確かに、それぞれの瞬間では、相場はこれらの「材料」に影響を受け、変動します。従って、誰もが「相場材料」「相場要因」の収集や分析に躍起になる傾向があります。しかし、相場の本質は「相場材料」「相場要因」にあるのではなく、相場の動きそのものにあります。「相場力学」と言っても良いかもしれません。

つまりは、相場力学に基づく相場の流れがまず先に存在し、その流れを急な物にしたり緩やかなものにしたりするのが「相場要因」「相場材料」と考えられます。極論すると、相場は材料や要因によって動かされるのではなく、相場が材料や要因を創っていくと考えられます。

■「トレンド性の法則」

トレンドとは、相場の方向性、傾向、向きなどを指しますが、相場には、トレンドがある相場とトレンドがない相場があります。トレンドがある場合、上昇トレンド、下降トレンドなどと表現し、トレンドがない場合、揉み合い相場、保ち合い相場、ボックス相場、レンジ相場などと表現します。

統計的には、7割程度はトレンドがなく、3割程度がトレンドのある時間と考えられます。この3割程度のトレンドのある時間帯にしっかりとポジションを持ってトレードすることが収益を伸ばす為には大切なことです。つまり、私達がトレードを行うに際して望ましいのはトレンドのある相場です。何故なら、トレンドのある相場は、大きな値幅を伴って決まった方向に推移していくことが多く、トレンドの方向に合わせてポジションを持つことで大きな収益を狙うことが比較的容易だからです。この、トレンドに乗ったポジションメイクは、トレンドフォロー型のトレーディングと言います。

一方で、トレンドのない相場は、一般的には、大きな収益を期待出来ない局面ですが、レンジトレーディングなどと言って、ある一定の値幅のレンジを想定して、その中で押し目買い、戻り売りという具合に、基本的には逆張りのポジションの造成が功を奏することもあります。いずれにしても、相場に入るに当たっては、今現在の相場がどのようなトレンドに乗っているのか、それともトレンドに乗っていない、レンジ相場なのかを判断する必要があります。

また、同じ相場について、ある時間軸にてトレンドが発生していても、別の時間軸ではトレンドが発生していないこともあります。例えば、日足ベースで上昇相場であっても、60分足ベースでは、揉み合い相場、レンジ相場であることもあります。従って、自分がどの時間軸をベースにトレードするかによって、相場のトレンド性の把握をする必要が出てくるわけです。「Trend is your friend」という格言がありますが、トレンドと友達になることがトレード成功の秘訣ということです。

■「変動率の法則」

相場は、本来変動するものですが、この変動には大きな変動もあれば、小さな変動もあります。変動の大きさは変動率で計れますが、トレードで大事なことは、この変動率が高まろうとしているのか、それとも低くなろうとしているかの判断です。

変動率が高まる時は、トレンドが発生している局面であることが多いです。一方、変動率が低くなる時は、トレンド性が薄らぐ局面であることが多いです。大相場では、変動率が極めて大きくなりますが、膠着相場、レンジ相場では、変動率が比較的小さくなります。

「トレンドの法則」の項でお話した通り、私達は、変動率が高まる時、つまりはトレンド性の高い局面でエントリーすることが望ましいです。つまり、トレンドフォロー型のトレードを行う方が収益性が高いことから、トレンド発生のタイミングを探り、変動率が高まるタイミングでエントリーすることが成功トレードを生む秘訣となります。相場の変動率が高まる時は、前段階として相場の変動率が低い、小動きのレンジ相場、保ち合い相場であることが大半です。言い換えると、トレンド性の高い大相場とトレンド性の低いレンジ相場が交互に訪れるのです。

つまり、トレンド性に欠ける、小動き、レンジ相場というのは、その後にトレンド性の高い相場が訪れる可能性が高いことを示しているわけです。その逆もしかりです。従って、変動率が低い相場地合いの時は、無理をせず、トレードを控えて我慢すること、そして、次に訪れる変動率の高い相場局面を待つ姿勢が大切なわけです。

以上のように、変動率の低い相場の時を如何に凌ぎ、変動率の高い相場に備えることが、トレードを行う上で望ましいスタンスとなりますが、この変動率を実践的に計る上で簡単な手法が、私のオリジナル手法である「スーパーボリンジャー」です。「スーパーボリンジャー」の利用法、判断法、トレード方法を学ぶことで、相場変動率の高い、トレンド性の高い時にエントリーする方法を会得し、実践することで、成功トレードの確率を高めることが出来るようになります。

■「時間の法則」

「相場は時間である」というのは私の相場哲学でもあります。相場は横軸とも言うべき「時間」と縦軸とも言うべき「価格」によって構成されていますが、より重要なのは、この「時間」という要素であると考えます。

「時間」は時間リズムでもあり、タイムサイクルでもあります。時間リズムには、「基本数値」という、ある決まった幾つかの数値、「対等数値」という、対等時間に当る数値があります。また、タイムサイクルは、相場波動における高値や安値の間の時間間隔のことを指します。

この「時間」のリズム、タイムサイクルが相場変動に大きな影響を及ぼしているというのは事実であり、相場の世界の普遍の法則でもあります。従って、時間分析を行うことは相場の動きを追跡する上で重要な作業となります。相場の天井や底を予測するのは至難ですが、この時間分析を行うことで、ある程度は推し量ることが出来るようになります。

もっとも、天井や底になる「候補」ともいうべき「時間の節目」を突き止めることで、相場が変化しやすい「変化時間帯」を探ることが出来ます。「変化時間帯」の意味は、相場がそれまでの流れを逆向きに変えるケースもあれば、それまでの動きを加速するケースもあります。その為、「転換」とは限らないため、「変化」と称しています。

尚、「変化時間帯」は、相場が動くこと可能性が高いと判断出来る為、事前に備えておくことが出来るというメリットはあります。また、時間の節目、変化時間帯を察知すれば、あとは、価格分析をしっかりと行うことで、ピンポイントでのトレードを実現させる可能性が高まります。

いずれにしても、時間分析は価格分析と並んで自動車の両輪と考えて良いということです。この2つの分析、判断を行うことで、相場の方向性、位置関係を把握し、成功トレードの確率を上げることが出来るということです。時間分析だけに頼り過ぎると、目の前の価格の変化がおろそかになり、実際の売買が上手くいかなくなりますが、価格だけを追うことはやはり危険であるということです。

尚、私独自の価格分析は、「アクティベート時間分析」というものであり、相場に現れる全ての高値、安値を分析のベースとします。つまり、高値・高値、高値・安値、安値・高値、安値・安値を全て対象とします。そして、基本数値、対等時間、タイムサイクルという手法を用いて時間の節目を探索し、「変化時間帯」を求めていくものです。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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