「マーケット力学」について(1)
今日は、「マーケット力学」についてお話してみたいと思います。もちろん、私流の勝手な解釈による説明ですので、ご了承下さい。
市場では、よく、誰が買ったから上がったとか、誰が売ったから下がったという風にマーケットの動きを説明する人が多いです。米系ファンドが買ったからドルが上がった、欧州ネームが売ったからポンドが下がった、輸出筋が売ったからドルが下がった等々のコメントがそれを指します。
私は、この類のコメントを疑います。まず、最初に簡単な理由として、例えば米系ファンドの例の場合、どこのファンドが買ったのか、どの程度の金額なのかに関して、そのファンドの注文を実際に受けた銀行なり証券会社の当事者でないと本来は分かりません。
そして、そもそも、自分の顧客である米系ファンドのトレードについて口外することを禁じている金融機関がほとんどです。つまりは、世の中に情報を漏らしてはいけないということです。仮に、漏らしたとすると、その担当者は、厳しく罰せられ、最悪の場合は、即刻クビとなります。これは、かつて、私が在籍した外資系銀行でも実際にあった話です。
特に、市場で大きな金額でトレードしている有力ファンドについては、絶対に外に漏れないようにほとんどの金融機関が工夫しているのです。例えば、電話の受話器などを通じて、外部の人間に聞こえないように、顧客を番号で呼ぶなどしている銀行もあります。
次に問題と考えられるのは、この米系ファンドの売買したことは事実だとしても、タイムラグを伴いながらも、他の金融機関で逆の売買を行っていることも多いということです。大きなトレンドが生じている大相場になれば、一方向にポジションを積みあげてくるファンドも多いと想定されますが、相場がレンジ相場になれば、売ったり買ったりするケースが当然のことながら増えてきます。
そうなると、もはや、米系ファンドだけを取り上げても、市場に出回っているトレードがどのような内容かを把握するのは到底不可能に近いのです。今や、全世界に何千、何万とあるファンドの実態を全て知ることが出来るなんてことは完全に不可能です。そして、先ほども申し上げた通り、市場で有力筋と言われているファンドについては、決して市場にはトレード内容が漏れない仕組みになっているわけです。
これはまるで笑い話なのですが、米系銀行が市場でドルを売っていたから、米系ファンドがドルを売っているとか、欧州系銀行がユーロを買っているから欧州系ファンドがユーロを買っているなどというコメントが広まるくらいです。もちろん、米系銀行や欧州系銀行では、日本時間においては、ほとんど、日系企業が取引をしているわけであり、欧米の時間においても、どこのどんな顧客がバックにいるかなど、全く分からないわけです。
しかしながら、現実問題として、先ほどのようなコメントが平気でまかり通っているのが実情のようです。考えてみると、それらの情報を頼りにトレードしている個人投資家を馬鹿にしているということでもあります。大体、日本人は、外国の名前が付くものに弱い傾向があります。「海外勢」「米国勢」「欧州勢」「中国勢」「米系ファンド」「欧州系ファンド」枚挙に暇がありません。
まさか「黒船来襲」でもあるまいし、彼ら「海外勢」の動向に神経質になる必要はまったくないわけです。
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