外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >マーフィーの日々是好日
  4. >エピソード
  5. >あのチャーリー中山氏が教えてくれたもの

コラム & レポート

バックナンバー

マーフィーの日々是好日

あのチャーリー中山氏が教えてくれたもの

相場をやっていると、時折、「直感」が湧くことがあります。つまりは、何となく上がりそうだとか、何となく下がりそうだとか、といったような感覚です。

相場センスが良い人は、この「直感」が湧きやすいとも思えるのですが、その場合は、「動物的感覚」と言った表現がしっくりきます。と言っても、動物は相場をやるわけではないので、「嗅覚」と言った表現の方が良いのかもしれません。

この「動物的勘」や「嗅覚」と聞くと、私はすぐにあの伝説のディーラーとも言うべき、チャーリー中山氏(本名、中山茂)を思い出します。中山氏は米バンカーズトラストやファーストインターステート銀行にて多大な業績を上げた方ですが、市場でも知らない人はいないくらい著名なディーラーでした。今もなお、自分のファンドにてトレードを続けておられます。

小説「東京外為市場25時 伝説のディーラー」「8割の男」の主人公のモデルになった人としても有名な方です。その中山氏が、当時邦銀ニューヨーク支店に駐在していた私に頻繁に電話を下さり、毎回トレードをして下さったのです。

その時のことを思い出すと、ああ、これが「動物的勘」「嗅覚」というやつか、と思うほど、まさに研ぎ澄まされたタイミングでトレードをされていたのを思い出します。中山氏は、確かに、ディーラーセンスそのものを持っていた気がします。ですから、生き証人として、私は、中山氏は「8割の男」どころか「9割5分以上の男」と形容しても良いくらいです。

ところが、中山氏はそれほど特別なマーケットセンスのある方と思いきや、ある日、氏と話しているうちに、いつ寝ているのか分からないほど過酷とも言える状況 下でマーケットを追い続けている姿勢を感じ取ることが出来たのです。まさに、獲物を追う時のチーターのような感覚と言って良いでしょうか。中山氏は、自分独自の「帳面」をつけていると仰っていたことを思い出します。

そんなことから、「動物的勘」や「嗅覚」というのは、毎日の相場の中で、延々とマーケットを追い続け、何年もの間、ありとあらゆる状況を経験し、記録し続けていく中で生まれた「賜物」であったと思えたのです。確かに、つまりは、常人では考えらないほどの涙ぐましい努力が背景にあったということです。

結局のところ、甚大なトレード収益というのは、マーケットセンスもさることながら、毎日の努力の積み重ねの結果、備わってきた「勘」「嗅覚」、つまりは「直感」に基づいていたのだと考えられます。ありとあらゆる状況を記録し、今後のトレードに活かすという真摯な姿勢にこそ、その原点があったと思わざるを得ないのです。

★お知らせ
フェイスブック内、「フェイスブックページ」
http://www.facebook.com/spanmodel
ツイッター
http://twitter.com/murphyfx


プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

ニュースクラウド