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マーフィーの日々是好日

チャーリー中山氏との出会い(その2)

さて、気が付くと、チャーリー中山氏は、三和銀行ニューヨーク支店ディーリングルーム内のアメリカ人スタッフの中では、すっかり「人気者」になっていました。と言うのも、毎週金曜日の午後になると、必ず私に電話してこられました。そして、その度に大きな金額の売買を行っていかれたからです。

どういうことかと言うと、毎週金曜日の午後に必ず連絡があり、大きなトレードを行うのが半ば習慣化していた為、アメリカ人スタッフ達が「Every Friday Man」というニックネームを中山氏に付けたのです。金曜日のニューヨーク市場の午後と言うと、市場は閑散となり、ほとんどのディーラー達がポジション調整を終えており、マーケットの流動性も薄く、あまりトレードをやりたがらない時間帯です。

それにもかかわらず、中山氏は、独自の相場観で、毎金曜日にトレードを行われました。実際のところ、中山氏は、金曜日のニューヨーク市場でしっかりとポジションを仕込み、それを翌週月曜日の早朝のシドニー市場から東京市場のオープンにかけて利食いを入れられていたようです。

そして、何と言っても驚くのはその勝率でした。「8割の男」の異名をとるだけあってかなりの勝率だと皆様はご想像されると思いますが、私の実際の経験から申し上げるならば、8割どころか9割、いや「9割5分の男」と言っても過言ではないくらいでした。

思い出すに、中山氏が私を通じて取引をされた後、約30分後にお電話があり、「柾木さん、さっきのポジションを全て手仕舞したい。」と、全額、ロスカットされてきたことがあります。その場でロスカットされたのは、正直言って、この1回きりでした。そして、その見極め、決断の速さと言い、潔さと言い、並大抵のものではありませんでした。

その相場観の鋭さたるや、恐ろしいくらい凄いものがありました( ← 全然、説明になっていません)。動物的勘と言ってしまうとそれまでですが、実際のところ、中山氏には相場の癖を掴む天性のようなものが備わっていた気がします。

考えてみれば、金曜日の午後のニューヨーク市場が引けると、翌月曜日まで市場はクローズします。その間に生じるかもしれない様々なイベントリスクなどを考えると、普通には、中々ポジションを積極的に取れるものではありません。しかし、それらを総合的に考慮した上で、中山氏は独自に判断、リスクテイクするわけです。

その辺りの考え方のプロセスなど、私は、毎週金曜日に直接本人と話せるわけですから、こんなにありがたいことはありません。ディーラー冥利に尽きるとはこのことです。事実、中山氏は、私とマーケット状況の情報交換をして、相場観を固めておられたとお聞きしたので、正直、私は中山氏のトレードに貢献出来ることを「男子の本懐」のごとく感じることが出来ました。

そうこうしている内に、中山氏は、毎週金曜日だけでなく、平日も頻繁に連絡下さるようになりました。すると、アメリカ人スタッフ達は、ついに、彼を「Everyday Man」と呼ぶようになったのです。その頃、中山氏はファーストインターステート銀行という米系銀行のアジアトレーディング部門のトップの立場に就いておられました。ファーストインターステート銀行は、前回号でご紹介したバンカーズトラストの「DNA」をそのまま引き継ぐような格好でトレーディング部門が大きく伸びていた銀行でした。

このようにして、私は、世界の超一流のディーラーと意見交換をしたり、トレードを目の当たりにしたりして、超一流のレベルのトレーディングとは何たるかを直に学ぶ機会に恵まれたのでした。中山氏と共にマーケットの中でやり取りする中で、私は実に膨大な無形資産を頂戴した気がします。

ところで、一般的には、中山氏は動物的勘に突出された天性のディーラーと言われますが、実際にお付き合いさせて頂く中で知ったことは、実によくファンダメンタルズも研究されていたことです。実際に、私は、彼の教えに従って、需給分析を徹底的に行いました。財務相(当時、大蔵省)の発表する国際収支統計をくまなく調べ上げ、綿密なレポートも作成していました。

中山氏の影響もあって、その後何年もの間、私はマーケットの需給分析を最も得意としていたぐらいなのです。今でこそ、チャートオンリーの私ですが、当時、多忙なトレードの傍ら、時間を見つけては、GDP等、マクロ経済指標についても深く掘り下げて研究していたのを覚えています。

結局、私は、ニューヨーク外国為替市場にてトータル5年半の間、為替ディーラーとして生き残ることが出来ました。その滞在期間の後半部分にて、東京本部に戻るまでの間、毎日のように、中山氏と相場の話をしながら、幸せなディーラー生活を送れるというチャンスに巡り合えた自分は本当に幸せだとつくづく感じます。そして、そういう環境を与えて下さった自分の周りの方々に対して、今更ながら、感謝の気持ちで一杯になります。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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