ディーラーの世界(6)
通常、「Limit Order(リミットオーダー)」と呼ばれる「利食いオーダー」はあの「忌まわしきワンタッチ・オール・ダン」ルールさえなければ、オーダーを頂戴する方にしてみると有難い話です。
何故ならば、「Limit Order」があればあるほど、マーケットが荒れた時にメリットがあるからです。すなわち、ある経済指標の発表などに市場が反応して上げでも下げでも一方向に動き出せば各レベルで注文成立となったオーダーは利食いに使えこそすれ、損することはないからです。
例えば、市場レベルが98.30−35レベルの時に、98.50円で売り10本のオーダーがある場合、仮に強いドル買いニュースが出て、いきなり98.60−65レベルにプライスが飛ぶとします。すると、98.50の売りオーダーは当然成立(ダン)であり、オーダーを持っているディーラーは98.50コストのドル円ロング10本が発生するわけです。
当然の結果として、利食いは容易いことになります。もちろん、マーケットの動きがスローな時は、各オーダーをブローカーなりに預けるケースが多く、上手にやらないと何のメリットもないことは言うまでもありません。
従って、例えば1ヶ月に数回の荒れたマーケットを期待して、お客様からオーダー(「Limit Order」)をもらう目的は上記から察しがつかれることと思います。当時、友人が勤務していたある大手邦銀のロンドン支店では、月に一回の貿易収支発表時の為に毎日があるようなものだと言っていました。プラザ合意後数年間はそれほど貿易収支発表が市場の最大関心事だったのです。
実際のところ、貿易収支発表時に市場が大きく動くことで、その月の予算の収益が達成可能と先ほどの友人が言っていたにはさすがに驚きました。ちなみに、その経済指標発表時はロンドン支店がオーダーを握っているにもかからず、その同じ銀行のニューヨーク支店はオーダーをもらえず、苦言を呈していたのを覚えています。
私のいた邦銀はと言うと、大手行にも関わらず、顧客のオーダーが相対的に少なく、もっぱら銀行内のディーラーからのオーダーが多いという、自己勘定で儲けるディーリング軍団といった様相でした。ただ、個人的には、そのカルチャーを気に入ってはいましたが・・。
そのような銀行ですから、ロンドン支店でさえ、先程の別の邦銀のような恩恵は残念ながら小さかったようです。いわんや、ニューヨーク支店おやということです。何せ、経済指標発表時は、オーダーらしきものは何もなく、しばらく時間が経って、東京本部の自己勘定ディーラー各氏がディーリング玉をニューヨーク支店にぶつけてくるわけです。こちら新米ディーラーは、サンドバック状態であり、如何に打たれ強くなるかが、生き残る為のテーマだったのです。
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