円、対ドルで154円台半ばに下落 34年ぶり安値
15日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル=154円台半ばを付けた。1990年6月以来およそ34年ぶりの円安・ドル高水準となった。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退するなか、幅広い通貨に対してドル高が進んでいる。中東情勢が急激に悪化しないとの見方から、投機筋が改めて円の売り持ち高を増やす動きも円相場を押し下げた。
米商務省が日本時間15日夜に発表した3月の米小売売上高が前月比0.7%増と市場予想(0.3%増)を上回り、ドル高に弾みが付いた。
前週末は1ドル=153円台前半で取引を終えており、1円超の円安・ドル高が進んでいる。「日銀の動きを見ても日米金利差は縮小は見込みづらく、(円を借りて外貨で運用する)円キャリートレードが続きやすい」(邦銀ディーラー)との指摘があった。
政府・日銀の対応への警戒感も根強い。鈴木俊一財務相は15日、円相場の動向について「しっかりと注視している」とした上で「万全の対策を取りたい」と発言している。
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