FX個人、円安で逆張り ドル買い越し3週ぶり低水準
外国為替証拠金(FX)取引で、個人投資家が相場の流れに逆らう「逆張り姿勢」を強めている。QUICKがまとめた店頭FXの建玉状況によると、円に対するドルの買い越し規模は21日時点で4万129枚(1枚は1万通貨単位)と5月末以来3週間ぶりの低水準になった。米利上げ観測の高まりから円安・ドル高が進んだ局面で、円相場の反発を見込んだ投資家が円買い・ドル売りに動いた。
QUICKは店頭FXを取り扱う大手6社を対象に個人投資家の持ち高状況を週に1度まとめている。円に対するドルの買い越し規模は前の週の7万1107枚から44%減少した。
16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の利上げ見通しの時期が2024年から23年に前倒しされたことを受け、23日夜には一時1ドル=111円台と、およそ1年3カ月ぶりの水準まで円安・ドル高が進んだ。
円相場が下落した局面で、個人投資家は反発を見込んだ逆張りの円買い・ドル売り取引を拡大した。利益確定のための反対売買も膨らんだ。「円相場が年初来の安値圏まで下げた結果、ドルの戻り売りが出た」(大手FX会社)との見方が出ている。
ここ半年ほどを見ても、円に対するドルの買い越し規模は大きく減少している。年初の1月4日にドルの買い越しは約41万枚まで膨らんでいた。3月にかけて米金利上昇を背景に円安・ドル高が進むと、個人投資家によるドルの買い越しは急速に減少した。足元では年初と比べて10分の1の規模にまで縮小している。
円相場が安値圏で推移するなか、今後も個人投資家による逆張りの円買い・ドル売りが続く可能性がある。米利上げ観測を底流にした円安圧力を弱める展開も想定されそうだ。