金融取の前期、2期連続の営業赤字 FX・金先の取引減少で
東京金融取引所が23日発表した2014年3月期決算は、営業損益が12億4700万円の赤字だった。営業赤字は2期連続で、赤字幅は前の期(5億8100万円)から拡大した。外国為替証拠金(FX)取引で「くりっく365」の取引数量が大幅に減少。超低金利が続き、円金利先物の取引数量が減ったことも影響した。株価指数証拠金取引は日経平均株価の上昇で堅調に推移したが、補えなかった。
売上高に当たる営業収益は50億2700万円と8%減り、経常損益は11億1400万円の赤字(前の期は3億7800万円の赤字)だった。最終損益は18億5500万円の赤字(前の期は5500万円の黒字)で、05年3月期以来9期ぶりに最終赤字となった。都内で記者会見した太田省三社長は、FX取引の減少について「昨夏以降の円相場の予想変動率(ボラティリティ)の低下に加え、店頭FX業界で激化した競争の影響で投資家の取引が流れた」と説明した。
同取引所は14年度を初年度とする3カ年の中期経営計画も発表した。FX取引で国内投資家に加え、海外投資家を取り込んでいくことを明記。利便性向上を目指し、早期にFX取引と株価指数証拠金取引の口座一元化を実現することも盛り込んだ。太田社長は「『金融デリバティブの総合取引所』を目指しているが、対象は金利、為替、株価指数の3つ。当面は商品先物は考えていない」と語った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕