FX取引で証券会社に賠償命令 18秒の約定遅延「債務不履行」
インターネットを通じた外国為替証拠金(FX)取引で、約定が遅れたことで損害を被ったとして、茨城県の男性が松井証券に約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、約200万円の支払いを命じた。
問題となったのは、損失が無制限に拡大するのを防ぐため、あらかじめ設定した為替レートになった場合に強制決済される「ロスカット」と呼ばれる仕組み。原告側は設定レートに達してから実際のロスカット約定までに約18秒経過し、その間の相場変動で損失が生じたと主張していた。
戸田久裁判長は「ロスカットまでに一定のタイムラグが生じることは契約上想定されているが、10秒を超えれば合理的範囲内とはいえない」と指摘。タイムラグを抑えるシステムを整備する義務に違反したとして、証券会社側に債務不履行があったと結論付けた。