日立のAIXサーバ「EP8000」を採用し、「安心と信頼」の金融サービスを目指す取引高がわずか1年半で20倍に激増したサイバーエージェントFXの「外貨ex」

サイバーエージェントFXが運営する外国為替証拠金取引サービス「外貨ex」は、2008年11月に口座開設数が6万口座を突破。同社は、システムの中核となるデータベースサーバに、日立のエンタープライズサーバ「EP8000」を採用し、高性能かつ堅牢なシステム基盤を獲得した。

» 2009年02月24日 10時00分 公開
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取引高が1年半で20倍に増大した急成長サービス「外貨ex」

株式会社 サイバーエージェントFX 専務取締役 高根 宏章氏 株式会社 サイバーエージェントFX 専務取締役
高根 宏章氏

 サイバーエージェントFXが運営する外国為替証拠金取引サービス「外貨ex」は、2008年11月、口座開設数が6万口座を突破し、急速な成長を続けている。

 「外貨exの強みはレートの競争力。例えば、為替レートの売値と買値の差であるスプレッドを非常に小さく設定しています。さらにもう1つ、システムを刷新したことで、“安定したシステム基盤”という強みが加わった意義は大きい」とサイバーエージェントFXの高根氏は語る。

 従来のシステムは、急激な成長にハードウェア性能が追いつかず、システムダウンのリスクが懸念されていた。


株式会社 サイバーエージェントFX システム部 マネージャー 中村 隆之氏 株式会社 サイバーエージェントFX システム部 マネージャー
中村 隆之氏

 「2007年5月、LinuxからUNIXへOSを移行しましたが、リニューアル1ヵ月でCPU能力に不安が出てきました」(高根氏)。

 ちなみに、2007年5月の時点では、外貨exの総口座数は約1万7000口座で、取引高は月間約3500億円だった。これが2008年12月には、約6万4000口座、取引高は月間約7兆円に跳ね上がっている。わずか1年半で、20倍近くに増大しているのだ。

 「システムが1分でもストップすれば、すぐにレートは変動してしまい、お客さまは収益機会を失ってしまいます。売り買いが殺到するピーク時こそ、止まってはならないシステムなのです」(中村氏)。

 2008年春、システムの負荷集中とトランザクションの急激な増加の環境でも、止まらないシステムを構築するためのプロジェクトがスタートした。

高い性能と柔軟な拡張性を評価しAIXサーバ「EP8000」を採用

株式会社 サイバーエージェントFX システム部 アシスタントマネージャー 岩瀬 優氏 株式会社 サイバーエージェントFX システム部 アシスタントマネージャー
岩瀬 優氏

 根本的なシステム基盤の見直しを経て、最終的に選択したのは、日立のエンタープライズサーバ「EP8000」を中核とする高性能・高信頼なシステム編成であった。

 EP8000を選んだ最大の理由は、新世代プロセッサのPOWER6による高い処理性能と、AIXの高信頼化機能による堅牢性である。

 「データベースサーバは以前から、Oracle Real Application Clustersを用いクラスタ構成にして、可用性を高めてきました。また、性能を十分に引き出すには、処理の特性を考慮すると、台数を横に増やしていくスケールアウトではなく、少ない台数で性能を高めるスケールアップが不可欠でした。その点、高い処理性能を誇るPOWER6プロセッサなら、スケールアップにピッタリです。CPU1個当たりの性能が高ければ、Oracleのライセンス料金を抑えられるというメリットもありました」(岩瀬氏)。

 しかもEP8000は、スタッカブルSMP構成による柔軟な拡張性を誇る。同社が採用した「EP8000 570」のPOWER6搭載モデルの場合、最大16wayまで搭載可能だ。

 アプリケーションは、株式会社 スリーエイ・システムの「外国為替証拠金取引システムパッケージ」を引き続き採用。このパッケージを用いたシステム構築は、豊富な実績を持つ株式会社 日立システム九州(以下、日立システム九州)が担当した。

 「EP8000を評価したもう1つのポイントは、日立が末永く付き合っていきたいパートナーであると感じさせてくれたことです。24時間365日ノンストップという厳しい要件を満たさなければならないシステムにおいても、必ず安定したシステムを作ってくれるというコミット感がありました」(高根氏)。

 「EP8000を作っている日立の工場を見学して、品質面でも優位性を確信しました。国内工場で組み立て、ランニングテストも自分たちの手で行っているという信頼感は大きいです」(岩瀬氏)。

 さらに日立は、データベースサーバのみならず、Webアプリケーションサーバやストレージなどの各種ハードウェア、関連ソフトウェアの開発までをトータルにサポート。グループ全体の力を結集して、高性能・高信頼なシステムを作り上げた。

急増する取引にも余裕の体制で応えるディーリングルーム。 急増する取引にも余裕の体制で応えるディーリングルーム。

最大90%だったCPU使用率がピーク時でも15%に

 EP8000を中核に据えた新システムは、2008年10月に稼働を開始。UNIXからAIXへの移行も、スムーズに進んだ。

 例えば運用管理は、OSを変更すればアラートの内容も変わるが、日立システム九州は、AIXとそのほかのUNIXの豊富な導入実績のノウハウを活かして、極力ユーザーインタフェースの変更を伴わないスムーズな移行を実施した。

 システム更改は、EP8000の圧倒的な処理性能と堅牢性を強く印象づけた。

 更改直前、旧UNIXサーバ4台に搭載した合計32CPUは、使用率が最大で80〜90%に達していた。これを、8CPUをアクティブにした3台のEP8000(合計24CPU)へと切り替えた途端、使用率が10%程度に下がったのだ。

 しかもこの時期、過去最高の取引高を日々更新し続けていたにもかかわらず、10%程度を維持し続けた。

 さらに、10月末にドルが90円を切った際には、最大のピークを迎えたが、使用率は15%程度にとどまったのである。

 「システムが安定したことは、われわれシステム部にとっても大きなメリットです。ユーザビリティの向上や取引チャネルの強化など、戦略企画に安心して力を振り向けていくことができます」(中村氏)。

利用したCPUの分だけ支払う新サービスにも注目

サイバーエージェントFXの「外貨ex」新システム概要 サイバーエージェントFXの「外貨ex」新システム概要

 同社は最近、8CPU構成だったEP8000を、予備用として搭載しているプロセッサを必要に応じて、すぐに増設が可能となるCUoD(Capacity Upgrade on Demand)機能を使い、12CPU構成へと拡張して、さらに余裕の体制を整えた。

 「EP8000は、急激な負荷増にも対応しやすいCUoD機能を持っているので安心です。また、使用したCPUの分だけを支払うサービスも始まるということなので、より有利なキャパシティプランニングに役立つ選択肢が増えると注目しています」(岩瀬氏)。

 「今後もサイバーエージェントFXは、信頼できる取引システムを提供し、より多くのお客さまに安心して為替取引をしていただけるように努めてまいります」(高根氏)。

 さらなる成長を安心して展開できるシステム基盤を手に入れたサイバーエージェントFXを、今後も日立とEP8000が支えていく。

お問い合わせ

記事に関して: 日立製作所 エンタープライズサーバ事業部 TEL.03-5471-3270

製品に関して: HCAセンター TEL.0120-2580-12 (土、日、祝日を除く 9:00〜12:00 13:00〜17:00)


●本システムは、株式会社 日立システム九州が、提案・構築から保守にいたるまで担当しています。


※日経コンピュータ(2009年2月25日号)より転載



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