SVBが破綻、米当局の管理下に-過去10年余りで最大の米銀破綻
Amelia Pollard、Saleha Mohsin-
1983年に設立、テクノロジー新興企業向け金融サービスに特化
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13日までにSVBの全体ないし部分売却が可能か検討-関係者
米銀シリコンバレー銀行(SVB)が10日に経営破綻した。カリフォルニア州の金融保護当局によって閉鎖され、連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれたと、両当局が発表した。過去10年余りで最大の米銀破綻となった。
SVBは増資を計画していたが不首尾に終わり、破綻処理に動いたカリフォルニア州の同当局がFDICを管財人に選任した。
米銀の経営難が明らかになったのは今週に入って2例目。銀行持ち株会社シルバーゲート・キャピタルは8日、銀行業務の縮小と清算計画を公表していた。
銀行業界の一部は既に、金利急上昇によるポートフォリオ価値の毀損(きそん)に見舞われていた。またテクノロジー業界や暗号資産(仮想通貨)業界の新興企業の間では、事業不振の中で預金を引き出す動きもあった。SVBのケースでは、同行の健全性への懸念から顧客が資金引き揚げを急いだという事情もあった。
コーネル大学のサウレ・オマロバ教授(法律)は「銀行の取り付け騒ぎは心理面からの影響が大きい。そして現時点で、神経質になるのは無理もない」と述べた。
FDICは声明で、保険対象の預金者は13日午前までに資金にアクセスできるようになるだろうと説明した。
イエレン財務長官はこの日、連邦準備制度とFDIC、通貨監督庁(OCC)の幹部と会議。国内銀行システムの「強靱(きょうじん)さに変わりはない」と述べ、SVBを巡る事態の展開に関しては「効果的なツール」が規制当局にはあると指摘した。
イエレン米財務長官、銀行システムの「強靱さ変わらず」-波及懸念せず
また、米当局はSVBを会社全体として、あるいは部分的に13日までに売却できないかどうかを検討しているという。事情に詳しい関係者が明らかにした。
SVBを巡っては、著名起業家ピーター・ティール氏が共同創業者のファウンダーズ・ファンドなど、複数のベンチャーキャピタル(VC)会社が投資先企業に同行からの資金の引き揚げを提言していた。
コーネル大のオマロバ教授は「FDICが破綻管財人となることで、この特定の銀行を巡る不確実性には終止符が打たれるだろう」と指摘。「しかし、そのこと自体が必ずしも人々の不安を防ぐことにはならないだろう。似たようなリスクプロファイルを持つ銀行に預金している場合や、関係資産に何らかのエクスポージャーがある場合にはそうだ」と述べた。
SVBは1983年の設立当初から、テクノロジーのスタートアップ向け金融サービスに特化してきた。
FDICの10日発表によると、SVBの昨年末時点の総資産は約2090億ドル(約28兆2000億円)で、預金規模は約1754億ドル。
原題:Silicon Valley Bank Swiftly Collapses After Tech Startups Flee、Silicon Valley Bank Collapses in Biggest Failure Since 2008 (4)、Silicon Valley Bank Fails as FDIC Takes Over, Appoints Receiver(抜粋)
これはブルームバーグ・オートメーションを利用して作成した記事です。