英次期首相にスナク氏、経済的難題に対処－ハント財務相は留任へ

英与党保守党の党首選でスナク元財務相が当選し、次期首相に就任する見通しとなった。スナク氏は、英国が「深刻な経済問題」に直面していると危機感を示した。

　　辞意を表明したトラス首相の後任を決める党首選では、唯一の対立候補だったモーダント下院院内総務が撤退し、スナク氏の勝利が確定した。スナク氏（42）は分裂した保守党や国の団結を「最重要の優先事項」に掲げると述べ、「英国民のために日々尽力する」と力説した。

　　事情に詳しい関係者によると、スナク氏と側近らは24日に閣僚人事を協議した。財務相にはハント氏を留任させる見通し。市場の安定を図り、予定通り31日に財政計画の発表を済ませたい意向という。

　　高インフレや金利と住宅ローンコスト上昇という厳しい逆風が吹く中で、スナク氏は経済の立て直しを迫られる。大混乱を引き起こしたトラス政権が７週間という短命に終わり、世論調査では保守党の支持率低下が鮮明だ。

　　ジョンソン政権崩壊のきっかけをつくったのは、財務相の職を辞任したスナク氏だと批判する保守党議員も多く、党内をまとめるのも容易でない。

　　スナク氏は24日、次期首相として保守党議員に向け演説し、同党は「生き残りが危うい」事態に直面していると語った。非公開の演説を聴いた議員の１人が明らかにした。

　　モーダント氏の撤退によって一般の保守党員による決選投票は不要となった。スナク氏は25日、チャールズ国王と会談後に首相に就任する。

　　スナク氏は過去200年余りで最年少の42歳で首相に就任し、英国初のヒンズー教徒の首相となる。

　　支持者１人によれば、党首選への出馬を断念したモーダント下院院内総務は外相ポストを強く望んでいる。一方、クレバリー外相はジョンソン前首相の再登板の動きを支持したことで、立場が弱くなった可能性はあるが、続投の意思は固いと予想される。スティーブン・バークレー氏は保健相への復帰があり得る。

　　シャップス内相が職にとどまる方向で働き掛けを行っているのに対し、トラス首相により更迭され、党首選でスナク氏を支持したブレーバーマン前内相も同ポストに復帰したい意向という。

　　やはりジョンソン氏の再登板を望んでいたウォレス国防相は、スナク氏への「全面的な支持」をツイートで表明。2030年までに国内総生産（ＧＤＰ）比３％という防衛費目標に新首相がコミットしない場合、辞任するのではないかとの観測が出ていたが、支持者の１人がこれを否定し、目標が取り下げられても続投する公算が高まったようだ。

原題：Sunak Expected to Keep Hunt, Tap Allies for New UK Cabinet､*SUNAK TO BECOME UK PREMIER TUESDAY AFTER MEETING KING CHARLES､New Premier Sunak Warns UK Faces ‘Profound Economic Challenge’､Sunak Expected to Keep Hunt, Tap Allies for His New UK Cabinet（抜粋）