円安メリット生かし経済強靱化、企業の国内回帰に取り組む-首相
広川高史、萩原ゆき-
インバウンド消費額年間5兆円超の達成目指す
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電気料金負担増の緩和へ「前例のない思い切った対策」
岸田文雄首相は3日午後、衆院本会議で行った所信表明演説で、「円安メリットを生かした経済構造の強靭(きょうじん)化を進める」と表明した。特に半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰や農林水産物の輸出拡大などに取り組む考えを示した。
円安メリットを最大限引き出して「国民に還元する政策対応を力強く進める」とも明言。11日からの査証(ビザ)なし渡航・個人旅行再開によりインバウンド観光を復活させ、「訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超の達成を目指す」と述べた。
物価高に関しては「来年春にかけての大きな課題」として「急激な値上がりのリスクがある電気料金」を挙げ、家計・企業の負担増を「直接的に緩和する、前例のない、思い切った対策を講じる」と語った。
下落傾向続く内閣支持率
岸田内閣は4日に発足1年を迎えるが、支持率は下落傾向が続いている。読売新聞が1~2日に行った世論調査で45%と9月の前回調査から5ポイント低下。不支持率は同5ポイント増加の46%で初めて不支持が支持を逆転した。「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)と政治家を巡る問題や物価高、安倍晋三元首相の国葬実施への厳しい評価が支持率下落につながったと同紙は分析している。
所信表明演説で、岸田首相は自民党として断絶を表明している旧統一教会との関係について「説明責任を果たしながら、信頼回復のために各般の取り組みを進める」と述べた。悪質商法の被害者救済に万全を尽くし、消費者契約に関する法令の見直しを検討する方針も示した。
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