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日本の個人投資家、24年ぶり安値水準でも円買い越し-取引所FX

外国為替証拠金取引(FX)の取引所取引で日本の個人投資家が円の買い持ちを抱え続けている。金融緩和を維持する日本と積極的な金融引き締めを進める欧米主要国との間で金利差は広がり円の先安感は根強いが、相場の流れに逆らう「逆張り」姿勢が残っている。

  東京金融取引所が運営するFX取引所「くりっく365」のデータによると、個人が保有するドル・円ポジションは9日時点で19万4825枚(約2776億円)の売り越し(円の買い越し)だった。2021年初頭は買いと売りが拮抗(きっこう)していたが、その後円の買い越しが膨らみ、同年10月以降は15万枚から25万枚の間で推移している。店頭取引が短期売買中心であるのに対し、「くりっく365」を介する取引所取引は長めにポジションを持つ個人が多いとされる。

2021年以降、対ドルでの円買い持ちを拡大

取引所FXの個人投資家

Sources: Bloomberg, 東京金融取引所

  フジトミの山口哲也チーフテクニカルアナリストは、個人の取引動向について、「以前からドル売りポジションを持ち続けて損切りができない状況になっている」と指摘。「米金利上昇や日本の貿易赤字といった円売り材料は理解しているだろうが、急激に円安が進む中で、どこかで調整が入るだろうという希望的観測から、ポジションの平均コストを下げようとドルを売り増している個人が多い」と説明している。

 

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