投資家の現金比率が01年来の高さ、スタグフレーション懸念-BofA
Sagarika Jaisinghani、Michael Msika-
現金水準、2001年の米同時多発テロ以来の高さ-5月の投資家調査
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最大のリスクはタカ派の中央銀行、次が世界的なリセッション
投資家が保有する現金の比率が2001年9月以来の高水準に達したことが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネジャー調査で分かった。世界経済の成長見通しが過去最悪に落ち込み、スタグフレーションの懸念が広がっている。投資家は株式相場の一段安も見込んでいる。
BofAは調査結果について「極度に弱気」と表現した。運用資産が合計8720億ドル(約113兆円)の投資家を対象としたこの調査では、タカ派の中央銀行が最大のリスクと見なされ、世界的なリセッション(景気後退)がそれに続いた。スタグフレーションへの懸念は08年以降で最も高くなった。
BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は同調査のリポートで、投資家は目先のベア・マーケット・ラリー(弱気相場の中での一時的な株高)を見込んでいるが、最終的な底は打っていないと指摘。一段の米利上げが見込まれる中で、市場はまだ「完全降伏」していないと論じた。
全ての資産から投資家脱出、「本物の降伏」のシグナル-BofA
調査ではテールリスクとしてリセッションがインフレとウクライナ戦争を上回った。弱気度は極端なレベルに達し、市場への参入ポイントを探るBofAの逆張り指標である買いシグナルを発動させるほどだった。
またテクノロジー株の「ショート」は06年以降の最大となっていることが、同調査では分かった。全体として投資家は現金と商品、ヘルスケア、生活必需品を大幅なロングに、テクノロジー株と欧州、新興市場などを大幅なショートにしている。
5月調査で示されたその他の結果は以下の通り
- この引き締めサイクルでの米利上げ回数予想は7.9(4月は7.4)
- 株式は20年5月以来の大幅アンダーウエート
- 金融リスクが市場安定に対する最大の潜在的リスク、地政学的リスクを上回る
- 米金融当局による「プット」発動水準は、S&P500種株価指数で3529の見込み
原題:
Cash Hoarding Hits 2001 High on Investor Stagflation Fears (1)(抜粋)