ドルの売り時だ、トレーダーらが大合唱-新興国市場や欧州を有望視
Ruth Carson、Joanna Ossinger-
「ドルは明らかにピークを過ぎた」-K2アセット・マネジメント
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「ドルは過大評価されている」-ブランディワイン
世界経済の回復が勢いを増す中で、ドルを売り新興国市場株や金に資産を移すべきだと、マネーマネジャーが一斉に唱え始めた。
1カ月前はドルに関するポジションが2015年以降で最も強気だったが、今はドル相場がピークに達したとの見方が広がっている。K2アセット・マネジメントはドルを売り、アジア新興国の債券と欧州株を買うことを勧めている。ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントは資源関連の通貨を買うよう推奨。ブレークリー・アドバイザリー・グループは金と銀を選好している。
ブランディワインの運用者、ジャック・マッキンタイア氏は先月、オーストラリア・ドルとチリ・ペソに対してドルをショートにした。「ドルは過大評価されており投資家はロングにし過ぎだ。私の見解ではドルを弱くする最大の要因は世界の成長加速だ」と話した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は12日に0.6%安と昨年5月以来の大幅低下となった。ドイツと中国の成長改善も米国以外の資産の価値を認識させ、ドルのロングポジション解消につながった。
ブレークリーのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)は、「振り返ってみると、昨年のドル上昇はただ、米連邦準備制度が日本銀行と欧州中央銀行(ECB)より引き締めで先行したことだけが理由だった」と述べた。現在の環境ではドルの代替として「金と銀を選好する」と語った。
K2アセットの調査責任者、ジョージ・ブーバラス氏は、チリ・ペソや東南アジアのソブリン債を買う機会を探っているとし、「ドルは明らかにピークを過ぎた。今や外為トレーダーは米利上げと景気回復を十分に織り込んでいる。ドルがさらに下落するのは確実で、新興国市場と欧州のソブリン債、クレジット、株式には大きな収益機会がある」と語った。
原題:Sell Dollar for Everything Else Is Echoing Across Trading Rooms(抜粋)