仮想通貨の会計ルール、9月メド草案 会計基準委
日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(ASBJ)は21日、実務対応専門委員会を開き、仮想通貨の会計ルールに関する議論を本格的に始めた。事務局からは仮想通貨を時価で評価する考えなどが提示された。ASBJは議論を重ね、9月をメドに会計ルールの公開草案を発表する考えだ。
仮想通貨は飲食店や家電量販店などでの利用が広がっているが、現状では明確な会計ルールがなく、簿外扱いの企業も多い。ASBJは業界団体などから話を聞き、論点を整理してきた。
この日は事務局が、取引が活発な仮想通貨については時価で評価し、取引の少ない通貨は取得原価基準に基づいて減損の要否を検討すべきだとの考えを示した。出席した委員からは「取引量でどう区分けするのか明確にすべきだ」との意見があった。
仮想通貨取引所が顧客から預かっている分については、現金と同様に貸借対照表(BS)の資産に計上するとともに同額の負債を計上するのが適当との考えも示した。
ASBJは今後、仮想通貨の時価の算定方法や減損の方法、BSの勘定項目などについての議論を深め、8~9月に公開草案を発表する考え。草案は2カ月間以上公開して意見を募り、会計基準を設定する考えだ。