「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」ーこれは紀貫之が「春立ちける日よめる」とあり、即ち立春に詠んだ、古今集巻頭(春歌)二首目の歌です。(夏に)袖を濡らして掬った水が今は凍っていたのを、立春の風が溶かしていくだろう。という意味です。

 

 春が来ていることを、冬の透明感を持ちながら、キラキラと表現している、まさに立春に合った素晴らしい歌です。この歌のことは何度もこのつぶやきで書いていますが、恐らく和歌の中で私が一番好きな歌なので、書かずにいられなくなります。

 

 今日は節分。これから社内で豆撒きをして、この歌のように明日からの新しい春に向かって、前へ上へ進んでいきたいと思います。