GFT東京支店マーケット・ストラテジスト 太田二郎が毎回、為替の世界で活躍するさまざまなプロフェッショナルをゲストにお招きして、深く濃い為替談義に浸る極上の対談シリーズ。

その第1回ゲストは、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」による独自のチャート分析で個人投資家の間で絶大な人気を誇る、インテリジェンス・テクノロジーズ代表 柾木利彦(マーフィー)氏。ディーラー時代の話から、FXで勝つためのさまざまな秘訣まで、個人投資家の方々にご参考いただける内容中心に、柾木氏の実際のGFTユーザーという立場からも率直な意見をお伺いする。
 

 
 
■太田 柾木さん、本日はお越しくださいましてありがとうございます。柾木さんは、旧三和銀行でディーラーとして活躍された方ですが、お名前は存じていても、銀行時代はお会いしたことはなかったですね。お互いにFXに関係するようになってからですね、お付き合いをさせていただくようになったのは。

■柾木 こちらこそ、記念すべき第1回目のゲストにお招きいただけて光栄です。今日は太田さんとたっぷりと為替談義をさせていただけると思って楽しみにしてきました。太田さんは為替では私より5年先輩ですけど、私は、かれこれ10年以上GFTの『DealBook』を利用しているヘビーユーザーですから、いろいろと『DealBook』についても、語らせてもらいます。

■太田 そうですね、私がGFTに入社したのが7年前です。三和銀行は、為替では、野武士的な存在で、トップバンクではありませんでしたが、とてつもなく大きなポジションを持っていて強かったですよね。私は、ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店に入行して、最初は総務の仕事をしていたんですけれど、ある日、支店長からディーリングやらないかって言われて、ディーリング?って感じだったんですが、今では、その支店長に感謝しています。柾木さんはどういうきっかけだったんですか?

■柾木 私は、三和銀行のディーラー研修生に選ばれて、それからニューヨークに派遣されたのがディーラー人生の始まりです。三和銀行からシティバンクに移籍するときに上司がら「いつまでもディーラーやっていられないよ、50歳になったらどうするの」って心配してくれたんですが、FXという個人のマーケットが誕生したおかげで、今に至ってもまだまだというか、より一層深くやっているわけです。

 

『報道2001』出演時の映像(1995年8月20日)-激突ディベート ジョージ・ソロス氏、リチャード・クー氏などと

 
■太田  私もよく言われる「Once a dealer, always a dealer」の言葉には、まったく頷くしかないです。実は、私は、かなり初期の頃から、FXに関係していまして、1997年に、 ナショナル・ウェストミンスター銀行(現在のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)で、為替取引が自由化され、新業種がFXビジネスに参入した初期段階から通貨証拠金取引(FXマージン取引)との付き合いが始まり、世界的に、ここまでFXをする日本の個人投資家が増加するとは予想もしていませんでした。

■柾木 私は、中国の銀行に勤めていたときに、友人から、FXのお客さん向けのマーケットレポートを書いてくれと依頼されたんです。かなりの数のお客さんいるというので、ビックリしました。同時に、これはおもしろい世の中になってきたなという印象を抱きました。自分自身でも、銀行時代の愛称の“マーフィー”という名前で、あるFX会社の掲示板にコメントを書いたりしていたんですよ。そのうち自分のホームページを立ち上げて、掲示板をつくったら、ものすごいアクセス数になってえらいことになったんです。

 
 
■太田 “マーフィー”って個人投資家の間ではもう有名でしたものね。柾木さんは、FXの世界で仕事を始めたときに、個人の方に対してどういう思いを持たれましたか?というのは、為替って、プロがやったってなかなか儲からない取引なわけじゃないですか。それを個人の方が儲けられるかどうか。7年前に、私がGFTで初めて個人投資家さんと対峙したときは、正直、すごく悩みました。

■柾木 私も、FXマーケットができたとき、自分がこんなに苦労した為替を、個人の方に勧めて大丈夫かなとすごく心配になったんですよ。長い付き合いの友人からは、「柾木さん、個人にFXを勧めるなんて、そんなことやっちゃ駄目ですよ!」などと忠告されたりしたので、内心うろたえつつも、だからこそ、本物つまり正しいアプローチを教えなきゃいけないと決心したんです。そうしないと、個人投資家さんに破産者が続出するんじゃないかなと思って、本当に、大きな責任感じましたよ。だいたい、個人投資家さんが好む情報というのは、例えばドルが上がるのか下がるのか、方向性をすぐ教えてくれということですからね。楽して儲けようという意識の方が非常に多い。そういう意味では、釣った魚をすぐくれという個人投資家が多いんですけど、魚の釣り方を教えたいというのが私のモットーなんですね。だから、決して相場観を伝授するのではなくて、いかにすれば、個人の方が儲かるかに重点を置いて、相場のトレードの方法をコーチングしようというところを主眼にしているんです。

■太田 柾木さんは、非常に多くの個人投資家さんに接しておられると思いますが、個人の方というのは10人いたら10人考え方が違いますから、ある人に良いということも、他の人にとっては悪いというふうに判断されるかもしれない。全員に通じる情報提供というのはないんですよね。だから、自分なりに、どうしたらいいかという判断をし、対応していくのは難しいところがありますね。

■柾木 まったくおっしゃる通りです。個人は、本当にもうこれだけいろんな人がいるのかなと驚くくらい、もう千差万別ですからね。しかし、儲けたいという目的は皆同じですからね。しかも、儲けたいというところも、個々に、資金量やリスク許容度やトレードできる時間帯などが違うので、その度合いがひとりひとり異なる。本当に親身になってコーチングするのだとしたら、体がもたないぐらい大変です。太田さんは、お客さんに、はっきり買いだとか売りだとかは、なかなか言えない立場でいらっしゃるんですよね?
 
 
■太田  はい、立場的に売買指南というのはできないです。だから、歯がゆいですよ。柾木さんみたいな立場で断定的に言えるのは、良い部分と悪い部分がありますよね。良い部分は、自分の思っていることを言えるということ、悪い部分は、予想が外れた場合は大変だということ。柾木さんがおっしゃったように、ほとんどのお客さんが望むことは、売りなのか買いなのか知りたいわけですけれど、実際100%そういった明確なアイデアがあるわけではないですから、私は、「相場に対する考え方」をお教えしているんです。つまりどういう考え方で臨むかという。ですから、私のコメントは基本的に物の考え方が中心なんです。それで、お客さんひとりひとりに考えてもらう。われわれが教えたからといって勝つものではないし、自分で責任持って考えるべきなんですね。
 

 
■柾木  太田さんはファンダメンタルズ面からアプローチされる面が多いんですね。私は、銀行のディーラー時代は、どちらかと言えば、ファンダメンタルズ重視でしたが、個人トレーダーになってからはテクニカル一辺倒です。ですので、ファンダメンタルズ面は、ちょっと横に置いといて、現在の相場性を知る意味で、具体的で計量的なトレード方法なんです。こちらが具体的に説明していかないと、お客さんの収益につながらないと考えているんです。やっぱり儲けさせて差し上げたいですから。

■太田  私も、お客さんには儲けていただきたいとは思っています。この個人の方が儲けられるかと言う部分はやはりすごく大きくて、私にとっては、引き続き永遠の悩みです。すごく難しいなと感じるのは、相場というのは、何が真理かということはないんだと言うことです。真理であったり真理じゃなくなったりするんです。真理はこうだというふうに説明すること自体に難しさというものを感じるわけですよ。だから、どのようにして相場が動いているかという考え方をベースにして、そのときに出てくる材料なり、チャートなりをもとにして取引するというのが一番良いんじゃないかなと思っているんです。

■柾木 この点では、太田さんとは対極的ですね。私は、その法則とか真理のようなものがあると思っている人間なんです。そこを押さえていけば、いろいろ紆余曲折あっても、右肩上がりで売買益が残っていくという考え方なんです。例えば今ユーロの問題やアメリカの経済の問題とは離れた部分で、根本的なものが相場には流れていると思っているんですよ。法則性といっても一過性のないものなんですけど、そういうものを大切にしているつもりなんですけどね。相場を一喜一憂するとキリがないので、もうちょっと距離を置いてマーケットを眺めてみてくださいと。そうすると、マーケットはこういうふうにしてこういう部分でこう動いているんだよということがわかるんです。「スパンモデル」や「スーパーボリンジャー」だったら、100%とはいかないまでも、70−80%程度はそれを把握できるんです。

■太田 私は、基本的チャートというのは主じゃなくて従として使うものだと思っているんですね。「スパンモデル」や「スーパーボリンジャー」のベースである「一目均衡表」のように、将来を予測するというテクニカル分析は、なかなかありませんから、非常に素晴らしいということは、僕もまったく同感なんです。ただ、私はあまりチャートに傾倒したことはなくて、主たるものは、やはり自分の考え方なんです。私は、為替相場は、“コックリさん”だと思うんですよ。要するに市場参加者の総意なんです。市場参加者がどういうふうに思っているかということで相場は動いている。相場は期待によって動いていくというふうに思っているんです。だから、これは柾木さんと同様ですが、まず、今どういう位置にいるんだということを考えます。為替相場というのは、チャートも含めて、同じものはないと思うんですよ。例えば今であれば欧州危機の問題がクローズアップされているし、それ以前にはアメリカの財政問題がクローズアップされていたし、もうまったくその時々によって違うわけじゃないですか。だから、ひとつのルールってないと思うんですよ。絶えず変わって、絶えず新しい、相場観とはそういうものなんですね。チャートもそういったものを全部把握していないといけないと思うんですよ。

■柾木 先ほど述べたように、私の分析手法である「スパンモデル」と「スーパーボリンジャー」はかなり計量的であり具体的であり極めて客観的なんですが、でも、それに対する判断は基本的には裁量なんです。裁量が入らないと、最強のトレード方法にはならない。システムトレーディングというものに対しては、非常に疑問を感じているんです。マーケットの心理や法則性を追求するのは、芸術と同じレベルだと考えている。私は、ここにロマンを見出しているんですけど。その法則性を見出すための手段がチャートであって、ツールとしては、GFTの『DealBook』が“良い伴侶”のようにうまく機能してくれるんです。こうして見出された、法則性の中で、比較的アプローチしやすい部分だけをお客さんに伝え、そして収益を残してもらうということが、自分のミッションなんです。
 
 
次のPart2では、 「個人投資家がFXで勝つための秘訣を伝授」というテーマで柾木さんとの対談が続きます。
 
   
 

 

→[Part2] 個人投資家がFXで勝つための秘訣を伝授 へ

 
 

 

 
 
 
 

 
 
1980年、大阪外国語大学(現:大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の「シティバンク」や欧州系大手の「オランダ銀行」東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍後、インテリジェンス・テクノロジーズを設立、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去25年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析(「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。著書『マーフィーの最強スパンモデルFX投資法(日本実業出版社)』など。
 
ザ・ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店にて1979年よりFX取引に従事。後にマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラスト銀行、BHF銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行、ING銀行での勤務を経て、マーケット・ストラテジストとしてGFT東京支店在職.
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■取材・取材日:2012年7月18日、ページ公開日2012年8月3日
■取材・文:香澄ケイト
■提供:GFT東京支店
■制作:FOREX PRESS(キャピタル・エフ株式会社)
 
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