書籍「億を稼ぐトレーダーたち〜日本版マーケットの魔術師」林知行
2011年06月15日(水)
本書は、日本のスーパートレーダーともいうべき人たちの成功哲学を紹介するものである。しかも全く表舞台に出ていないトレーダー、あるいはほとんど知られていないトレーダーばかりで構成されており、その考え方にふれることができる本書には十分な価値があると確信する。
日本の社会では、個人プレーが否定される傾向がある。また突出した成功がヒーロー視されず、ねたみやそねみの感情から“悪”とされるくらいの空気がある。だから相場の世界の成功者など、とても受け入れられないという風潮がある。たとえ受け入れたとしても、とてつもなく特殊な世界の人物を遠くから観察するような視点しかないようだ。
結果として、どうなっているのか─。難解な問題に挑戦する受験勉強のごとく「正解は何か」という相場の世界ではまっ先に否定されるべき観点に多くの人が染まり、予測が当たったか外れたかという意味のない結果論に終始している非現実的な世界が、個人投資家に与えられた唯一の情報源となっているのだ。この本で紹介するトレーダーは、非現実的な世界とは無縁の、成功している本物の実践者たちである。
柳葉 輝(専業個人トレーダー)
こだわりを捨てて答えを見つけ、10億円の資産を形成したシステムトレーダー
「人間は相場で損するようにできているのです」
渡辺博文(大手アセットマネジメント・ファンドマネージャー)
個人投資家時代にビジネスモデル投資という手法を確立した、異色のファンドマネージャー
「本当の美人を見分けろ」
杉山晴彦(個人トレーダー)
意地を張らない売買で、5カ月509.88%の収益を達成した学習塾経営者
「すべてはマーケットの都合に従うだけです」
綿貫哲夫(証券ディーラー)
値動きの背景を探ることによって、10年以上勝ち続けるベテラントレーダー
「私にとってマーケットは常に勉強の場なのです」
成宮宏志(元為替ディーラー、FAIメンバー)
理論と感性を融合させて結果を出す、元為替ディーラーのFAI投資法実践者
「守・破・離」「チャートを見てマーケットの声を聴くのが楽しい」
西村正明(山前商事、プレーイングマネージャー)
理論の裏付けによって負けない売買をくり返す、プロップファームのプレーイングマネージャー
「おもしろみのない地味な売買でマーケットのゆがみを拾う」
橋田新作(個人トレーダー、研究部会報会員)
勉強した知識に長い経験を加えてついに成功。2年間で1億円以上稼いだ孤高の個人トレーダー
「相場はいつでも失敗の連続です」
高橋良彰(エイ・ティ・トレーダーズ代表)
17年間、月間で1人もマイナスを出していないプロップチームをつくりあげた男
「チームで100億円の利益を積み上げてきた。大切なのは人のチカラだ」
秋山 昇(個人トレーダー)
綿密な検証と大胆な行動──理想の二面性を持つ個人トレーダー
「累計利益5億円達成で牛丼に半熟卵をつけるようになりました」
Posted at 14時54分