■「外為人物伝〜その素顔〜」
為替業界にはなかなか個性的な方が多い。しかし、個人投資家の方たちがそれら為替ディーラーなど市場参加者に直接接する機会は限られます。せいぜい講演会やテレビで為替の相場見通しを拝聴するぐらいでしょうか。当コラムでユニークな人柄や個性などの「素顔」を余すところなく紹介していければと思います。
■執筆者PROFILE
斎藤登美夫 氏
FXニュースレター 代表
約13年間の為替専門誌記者生活を経て独立。現在は個人投資家向け為替情報会社『FXニュースレター』の代表を務める。
かつては、金融情報誌『ユーロマネー』のベストディーラー・アンケート「短期予測・銀行投票部門」でランクインした経験も。ディーラー、アナリスト、霞ヶ関などの豊富な人脈を生かした取材・情報提供には定評がある。

コラム / 外為人物伝〜その素顔〜 第51回

NTTスマートトレード株式会社 営業企画部長 工藤 隆 氏

「取引のレバレッジは何倍か、リスク管理をキチンとしよう(後編)」

2007年8月29日

◎目標は「他社にないサービス」、日々それを考え奮闘中

前編では外資系銀行、現役時代の話を中心にお聞きしました。そのあと工藤さんは個人向け為替証拠金業界に身を投じられることになるわけですが、経緯などについて簡単に教えていただけますか。

 
実は当時勤めていた『カリヨン銀行』を辞めるつもりがまるでなかったんです。しかし、為替証拠金業界からのヘッドハンティングにあいまして、熱心に勧められるので「じゃあ一度話だけでも聞こうか」−−と。移るつもりがあまりなかったので、お会いした社長に結構無茶なことを言ったんですよ。到底受け入れられないだろう、と思うような無理な話を、しかも複数ですね。ところが、先方の社長がそのすべてにOKをだしましてね(苦笑)。もう逆にビックリですよ。で、こちらの要望を丸呑みされたわけですから、移らなくてはいけない状況になってしまいました。そんなこんなで、銀行を2005年8月に退社しました。
 当時は東京支店勤務で直属のボスは東京にいましたが、アジア全域を見ている香港在住のボスに可愛がられていましてね。「辞める」といったら、とてもビックリされて・・・。「直接挨拶に来ないと辞めさせない」と言われたので、ワザワザ香港まで最後の挨拶に行ったぐらいですから(笑)。
 
 
―それはまた、なんというべきか・・・。ともかく大変でしたね。ところで、工藤さんは為替証拠金取引について、その当時、下地というか予備知識のようなものはあったのでしょうか。

  それはありました。『カリヨン銀行』の香港支店が為替マージン取引に関するサプライヤーでしたので、わたしもカスタマー・ディーラーとして、幾つかの為替証拠金会社にもセールスなどビジネスで出入りしていました。ですから、そうした意味では入社後も戸惑うことはありませんでしたね。
 
 
―そんな工藤さんは、2006年11月にこちら『NTTスマートトレード』に移られます。いま現在、工藤さんがおやりになっている仕事などについて教えてください。

 
営業企画部長ということで、お客さまの数を増やすという仕事が主なことです。幸いにも親会社が『NTT』ということでかなりの知名度、信用力を持っています。これからは法人営業にも力を入れていきたいと考えていますね。
 日中のルーティン業務としては、既存のお客様にも満足していただけるよう、セミナーやレポート、メルマガなどサービス全般について日夜考えています。新しい商品の設計や通貨ペアの拡充なども仕事のひとつですね。たとえば、取引扱い通貨ペアでいえば、いま現在弊社は9通貨ペア。それもすべて対円での取引です。他社に比べれば取り扱いの通貨ペアは少ないのですが、通貨ペアを単純に増やすことだけがお客様のためになるとは思いません。お客さまのご要望なども聞きながら、そのあたりの変更もこれからしていきたいと考えています。
 
 
―ところで、御社『NTTスマートトレード』で個人的にひとつユニークだと思うことがあります。それは「外貨定期預金並みの金利還元を日割り計算で行う」−−というサービスです。これは業界内でやっている先を見かけない、画期的なアイディアだと思うのですが。

 
ええ、そうなんですよ。弊社の外貨預託金口座「スマートex口座」ですね。「スマートex口座」では「金利還元」というものをやっていまして、これはお客様からの外貨預託金を「外貨普通預金」として預けている当社取引銀行から付与される金利のうち、事務手数料を引いてお客様にその金利を還元する仕組みになります。
 ただ、こうした文字を一読しただけでは判りにくいと思いますので、ご興味のある方は弊社ウェブサイトを御覧になっていただくか、弊社カスタマーセンター(0120-787-719)までお気軽にお問い合わせいただければと思います。
 
 
―そういえば、『NTTスマートトレード』ではセミナーなどにもだいぶ力をいれていますし、非常に独特というか斬新なタイプのものが多いですよね。

  そうですね。すでに4月より8回のセミナーを実施済みで、FP(フィナンシャルプランナー)の方々向けのセミナーを実施したり、この8月末には他業種である『三井生命』との合同セミナーを実施する予定となっています。業界内で、こうした試みをされる会社は非常に少ないのではないでしょうか。ご興味のある方は、こちらについても弊社スタッフに是非お問い合わせください。
 ちなみに、セミナーについては現役ディーラーなど、いま相場の最前線で戦われている方を中心にお願いしております。外資系で長く勤務してきましたので、幸いなことに知人はたくさんいます。これからもセミナーだけでなく、情報発信全般でお客様のお役に立つよう努力していきたいと思います。
 
 
 
―最後になりましたが、工藤さんから個人投資家の方たちに対してなにかアドバイスをひとつ、ふたつお願いします。

 
これまで登場された方とほとんど同じ意見で、新たに付け加えることはありません(笑)。ただ、やはり「リスク管理をしっかりして欲しい」というのは改めて指摘しておきたいと思います。たとえば、為替証拠金会社のなかには「最低証拠金一律5万円で、どの通貨でも売買できる」−−というようなことを謳っている先もありますが、その場合には同じ1万通貨単位の取引でもドル/円とランド/円ではレバレッジが変わってきます。このあたりをキチンと認識して取引されている方は意外に少ないように思います。
 いま現在ご自分がなさっている取引のレバレッジは何倍なのか認識されていらっしゃいますか?非常に大事なことですので、是非考えていただきいと思いますね。
 
 
―なるほど。いまの工藤さんが例に出した話は、確かにそうですね。「5万円から」と言われたからといって、ホントに「5万円」だけ入金して取引をしようという方は少ないように思いますが、初心者の方などは間違え易いところかも知れませんね。場合によっては、予想以上の高倍率で取引をしている人がいる可能性もあります・・・。

 おっしゃるとおりですね。弊社の場合にはレバレッジが一律で、最高を10倍に設定してあるのも、そのあたりに理由があります。先ほど通貨ペアの話でも同じような話をしましたが、レバレッジについても同様で高いレバレッジで取引できることが必ずしもお客様のためになるとは思っていません。
 お客様に儲けていただきたいのはもちろんですが、それ以前に初心者の方でもまず安心、納得して取引が出来るような環境を提案していきたいと思っています。ご意見などがあれば、参考にさせていいだきますので是非ともお知らせください。
 
 
―本日は長いあいだ、ありがとうございました(了)。

【インタビューを終えて】

  文章量の関係もあり文章中には示さなかったが、今回のインタビューで工藤さんから聞いた話でひとつ興味深いと思ったフレーズがある。それは、「他社がいままでやっていないことをやりたい」という文言だ。わずか1時間強のインタビューで何度でてきた言葉だろうか?本文ですでに示したように、セミナーなどの部分で業界初の独自アイディアが示されている部分も多々あったが、筆者の仕事からするとやはり興味深いくだりは「他社がいままでやっていない情報提供を考えている」−−という発言だろう。
ちなみに、いくつか工藤さんの腹案を具体的にお聞きしたけれども、いずれも思わず「う〜ん」と唸るようなものだった。筆者もかなりの数の業者に出入りさせてもらったが、たしかに他社でやっているという話は一度も聞いたことがないものが少なくなかった・・・。
問題は、そうした新企画というもの、多くは「企画倒れ」に終わることが少なくないことか。失礼ながら『NTTスマートトレード』の場合にも、その可能性がゼロではないだろう。しかし、工藤さんがおっしゃるように、「現役ディーラー時代を含めて、いままで培ってきた人脈を活用すれば実現可能」であると筆者も思う。非常に面白いし楽しみなことだと思うので、工藤さんには是非とも実現させてもらいたい。また、微力ですが必要があればいつでも御協力をさせていただきます。一緒に業界を盛り上げていきましょう!


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