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信託スキーム

相対FX取引に係る顧客資産の信託スキームについて

2004年12月24日(金)

1.仕組みの問題

現在多くの信託スキームが世にでているが、そのほとんどは顧客資産を100%信託財産として分離し、委託者であるFX業者がカバーとして必要な差入れ証拠金は別途調達するか、信託財産を担保として受託者(信託銀行)が信用状を出し、それを委託者のカバー先銀行が受けるパターンのどちらかである。

前者のケースだと委託者であるFX業者は顧客の資産が増え、ポジションが膨らめば膨らむほどより多くの自己資金をカバー銀行に預ける必要が生まれる。これは経営上のリスクが大きい。後者はその点の問題を克服しているが、信用状を受けるカバー銀行を最初に見つけて進めないとどこでも受ける代物ではないので、関係会社各関係が大切になる。

一番いいのは、というより都合がいいのは、受託者である信託銀行が決済リスクも同時に受ける、つまりカバー銀行として存在することである。上の例でいえば、受託者が自分自身に信用状を発行するわけだから受けないわけがない。ただしそれを成り立たせるためには、顧客が委託者と行う取引が100%ガラス張りに受託者にみえることと、それのカバー取引が自動的に委託者によって行われ、それも受託者は100%ガラス張りで見えることが必要になる。そうなってくると、単に信託のペーパービジネスではなく、システムAPI-STP的なビジネスが深くかかわることになる。中間に存在する代理人の存在も単なるペーパー監査ではなく、システム監査的な機能が不可欠になる。つまり仕掛けが大掛かりになり、その分コストがかかる。

100%信託分離であるとはいうものの、顧客が資金を委託者名義の口座に振り込んでから、委託者が信託口座に振り返るまでの時間は信託の保護の範囲ではない。つまり、私がみずほ銀行で○○証券のFX指定口座に振り込んでから、その翌日に○○証券がつぶれ、資産保全が働いた場合で、まだ私のお金が信託口座に振替られていないと、私のお金は返ってくるかどうか分からなくなる一般債権者となる。

さらに、100%保全される資産は純資産なのか、現金残なのか、その値洗いは毎日か1週間に1回かによっても100%の意味は変わってくる。受託している信託銀行は代理人によって確認され振り込まれた預金残高以上に責任は負えないはずである。そういう細かいところまできちんとHP上で開示している業者は今のところ発見していない。

2.ペイオフとの関係

 現在すべて業者は無料で提供している。ここにひとつの問題がある。来年には銀行に預ける預金のペイオフが解禁になる。そうなると、数千万円、1億という資産を持つ個人は、複数の銀行に1000万円づつ預金してその残りをどうするかという問題にぶち当たる。必ずしも多くの銀行がつぶれる心配は顕在化しないにしても理屈としては保護されない資産をどうするかが心配になる。そこにこのFX業者が無防備に提供する信託スキームが利用されるリスクがある。これを私がリスクと呼ぶ理由は以下のとおりである。

私が仮に1億円を持っていて、とりあえずメガバンク中心の4行ぐらいに4000万円を預金して残り6000万円をこのFX信託をしている会社に預けようと思う。何故なら信託だから100%完全に保護されるわけだし、その費用が現在ゼロだからである。そうなるとそれを受ける業者は顧客からは1銭の利益も得られないのに、反対側で信託会社に対しては信託費用を支払う羽目になる。つまり、マーケットのゆがみを突かれることになる。これに対する防御としては、その顧客が一定の期間(たとえば3ヶ月)何の取引もしなかったら、強制的に出金させるか、信託費用分を口座維持費として請求する方法がある。多分出て行けとは言いづらいので、後者を選択するほうが理にかなっている。つまり、これが意味するところは、個人資産を守る信託ビジネスとしてこの信託スキームが位置付けられるということである。問題は個人投資家、資産家がこういう「保険」に対して対価を払う気になるかどうかにかかっている。実際に銀行がいくつかつぶれて、ペイオフのリスクを顕在的に認識するまで、こういうサービスを有償で受けたいという需要は個人の間に高まるとは考えづらい。


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Posted by 尾関高   パーマリンク

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