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川合美智子

「生き方を教えてくれた為替の世界で」―川合美智子 氏[後編]

2013年04月25日(木)

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(中編はこちらから)

■セミナーで心がけていること

個人の資産でトレードする場合は、会社組織の中でバジェットの達成を心配する必要はありませんから、むしろトレンドに沿ったやり方がいいのではないかと思います。私も、現在はトレンドフォローを重視しています。このやり方なら損切りと利益確定のオーダーをだしておけば、日中の忙しい時に相場をちらちら見る必要もありませんし、トレンドが変化したらその方向にポジションを張りなおせばいいわけです。

こういうゆったりとしたトレードなら、例えば年率20%を目指しましょうということもお客さんに提案できますし、自分がこれ以上損したら取り返せないというところに追い込まずにすみますから。トレードでは常に客観的に見て判断することを求められますから、自分を追い込まないようにすることはとても大切なことなんです。

また、トレードの一番の面白さや醍醐味は、トレンドの波に乗ってポジションを増やして行く“利乗せ”です。年に何度かあるこの“利乗せ”のチャンスはそれまでの苦労やストレスを吹き消して充実感に溢れた気持ちにさせてくれます。この醍醐味のために、私は為替と付き合ってきたと言っても過言ではありません。

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さて為替市場も市場参加者の移り変わりと共に誰もが参加した時代から変化していきました。輸出入企業も本業へ戻り、機関投資家もヘッジを外したり戻したりといったトレードを控えるようになりました。市場参加者が少なくなって取引量も減ったことでリーマンでも、採算が合わない銀行部門のライセンスを返上する方針に変わり、結局4年間で退職しました。当時はデリバティブ、特にオプション取引が流行し始めており、リーマンもそちらに重きを置くようになったからでした。

彼らが市場を去ったのは、為替相場を商品や株の先物の延長線上で考える人達が多く、需給や材料で、あるいはファンダメンタルズの良し悪しやパワーで動かすことが出来ると考える人たちが多かったように思います。一時的には、100本(1億ドル)単位で振り回せばそれなりに動いた相場も次第に効果が無くなり、それこそトレンドに逆らった場合は、どんなに大玉を振り回しても負けてしまいます。企業戦士でも為替ディーラーではありませんから、為替の本質をつかむことができなかったのでしょう。ディーリング能力がよほど優れた人ではないと生き残れない時代になっていったんです。

当社は、個人がFXトレードに参加し始める5年ほど前の93年に最初に設立しましたから、レポートの配信は20年続けたことになります。2000年代前半には証拠金取引業に従事しましたが、結局我々の得手分野である「為替相場分析」に特化するため、2007年に新たに同じ社名で、投資助言会社として生まれ変わりました。

当初は、分析レポートの配信や助言業部のみで、自分がセミナーの講師になるということはまったく想定していませんでした。人前で話をするなんてとても出来ないと考えていましたから。そんな時、友人の紹介で一度限りのつもりでお受けしたセミナー講師の仕事が、後に好評を得て、少しずつお話が来るようになったのです。現在では、いろいろなFX会社さんから講師の依頼を頂くようになりました。初めてのことでしたが、失敗を恐れずにチャレンジしたことで違う道が開けたことになります。

私は、自分自身のことを歩みがのろくて人より理解するのが遅い性質(たち)だと思っています。だから人が理解出来ない部分がよくわかるんですね。あっ、こんなこともわかっていないんだなって。ちょっとしたことがわからないだけで、FXトレードに参加出来ないなんてつまらないではないですか。ですから、私は、時には易し過ぎることはあっても難しい表現を避けて、誰にでもわかるようにセミナーを心がけているつもりです。難しい専門用語や経済用語、業界用語はたくさんありますが、それを全て理解する必要もないし、使う必要もないと思っていますから。相場の本質はそんなものでは説明がつきませんし、相場自体は経済の変数ではないのですから。相場は波動を描いて動き、その材料は後からついてくるみたいなところが多いんです。

ユーロ危機にしても本来は金融不安に陥るかどうかを見極めること、そのためにはまず、危機国の信用リスク、つまり国債市場の動きを見ることです。流動性が枯渇して金融機関がどんどん潰れてしまうとか、国債価格が暴落してユーロ圏の国債市場がおかしくなってしまうとかでなければ、パニックになることはありません。押さえるべきポイントについてお話するようにしています。為替は、最終的には常識が生きる世界なんです。

最近では個人でトレードしている方が本当に増えました。1分足や5分足を駆使して頻繁にトレードして利益を得ている方たちも多いと聞いています。それはそれで材料に振り回されずに相場の動きを追いかけているのですから、正しいやり方でもあるのでしょう。けれども、儲かるときガーッと儲かるんだけど、はずれ始めると、もうどうしていいかわからない、という状態に陥ってしまう人も沢山います。そういう人たちには相場の基本的な考え方や、もっとゆったりとトレードする方法などを伝えたいと思いセミナーの講師を引き受けています。

■為替は人生そのもの

為替には、生き方を教わっているような気がします。トレードで同じ失敗を繰り返してしまい、あっ、またやっちゃったと反省してみたり、儲かると相場の真髄が分かったような気分になってしまったり、その後やられて落ち込んだり等々。トレードしていることが人生の縮図のようなところがあります。為替の仕事を通じて自分の財産になるような人たちにもめぐり合い、横の繋がりも増えました。為替相場とともに自分自身も成長させて貰ったような気がします。

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たまたま東銀が為替専門銀行であり、配属されたところがその中枢の為替資金部であったことが今の私の原点ですが、東銀を出てからの方が古巣の素晴らしさを知ることになり、またその後の人との出会いや仕事が自分の人生の財産になっていると思います。いま人生半ばを過ぎてから思うこと、それは若林栄四のペンタゴン分析が日々進化していくところを見ながらこれをサポートすることだと考えています。研究者の助手のような立場といえるでしょうか。ですからその役目が終われば自分も引退するつもりです。

そうしたら、今度は自分のやりたいことに没頭します。時間があれば海外旅行と温泉にどっぷり浸かることですが、為替について思い描いている夢、それは60歳でも70歳でもやれるトレード法のようなのを、確立すること。相場と向き合うことは年を経ても可能です。頭さえボケなければ、の話ですが。以前は、夜中でも起きてトレードしていましたけれど、最近は朝が早いので損切りを置いて寝るようにしています。また、ここを切れたらひっくり返す、なんてオーダーも要所では出すことがあります。

このように年齢の変化などに伴って、徐々にトレード方法が変わってくることを私自身が経験していますから、“体力をそんなに使わないで地道に稼ぐ、高齢者のためのFX法”なんていうものを“川合美智子塾”としてやれたらいいと考えています。

(全編終了)

*2013年03月22日の取材に基づいて記事を構成
 (取材/文:香澄ケイト)

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川合美智子、著書「FXプロの定石」に込める個人投資家への思い

「FXプロの定石」は、ある程度自分でFXトレードできるようになって、ふと迷ったり悩んだりして、もう一度原点に返って自分を見直してみたいときに読んで貰いたい、小学生向けではないけれど、成長半ばで肉体と精神が不安定な状態の中学生を教える教師のような存在を意識して書きました。

自分でトレードを重ねている内に、なんだかわかったようなつもりになっていても、意外とそうでなかったり、思い込んだりしていることがたくさんあります。そういうときに、つまづいてしまうと軽い怪我なのに、表面の怪我は治っても心が痛みを覚えてしまって恐怖が先にたつことがあります。なんかやり方違うかなと思ったときに参考にしていただきたい本です。

相場と対峙するための基本的な考え方や姿勢が中心の内容になっていますが、決して難しくないトレンドに乗るための方法や、儲けるためのさまざまな実用的ヒントも載っています。例えば、シドニーマーケットは、ほとんど参加者がいませんから、“ダマシ”で大きく変動することが多く、その動きは無視するくらいでもいいですし、逆にシドニーのクセを活かした「隙間トレード」で利益を上げることもできます。

実際に私自身が行っている、スイング・トレードのテクニックをわかりやすく体系的にまとめてありますので、“個人投資家さんに実際に使ってもらえる基本書”として、私のモットーとする、“為替相場と楽しくと付き合っていく”ための、ご参考としていただければ幸いです』

【前編】東銀女性ディーラーのパイオニア
【中編】カスタマーディーラー、深夜奮闘する
【後編】70歳になってもやれるトレード法の確立

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プロフィール

TheFxACE

TheFxACE(ザ・フェイス)企画チーム / TheFxACE

為替ディーラーのご経歴を持つ方々に、ご自身の生き様や相場に対する考え方などをお伺いしていきます。

[取材/文]
香澄ケイト(かすみ・けいと)/外為ジャーナリスト

米国カリフォルニア州の大学、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国後、外資系証券会社で日本株/アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事。退職後、株の世界から一転して為替証拠金取引に関する活動を開始し、為替サイトなどでの執筆の他にラジオ日経への出演およびセミナー等の講師も努める。

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