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加島章雄

「完全競争の醍醐味を知る」 ―加島章雄 氏 [後編]

2011年06月01日(水)

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(中編はこちらから)

■環境の変化とそれへの対処

近年、進展著しいイーコマース(電子商取引)を例に挙げるとすると、92年のSBCのイーコマースのローンチは、出張で得た驚くべき情報だった。当時のSBCは非常に革新的で、イーコマースの先鞭をつけた銀行だ。イーコマースは、将来のディーリングビジネスを牽引する、そんな予感に駆られた。

システムがこんなに進んでいる事実や、それを背景とした金融ビジネスの変貌は明白だった。物事は変化する、それゆえに戦略的に舵を切っていかなくてはならない。ただ、こういったことを富士の行内で発信すると、それまでの枠組みを変える議論であるだけに周囲からの反発はかなりのものだった。一方で、だからこそ自分の役目は敢えてそれをやることだと確信するようになっていった。

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20年前の予感は現実になり、イーコマースを征するか否が為替ビジネスを左右するようにさえなってきている。当行(バークレイズ銀行)は、BARX(バークス:電子取引プラットフォーム)の導入によって為替市場におけるシェアを上げ続け、今年世界第2位(EUROMONEY調査結果)になった。シェアの拡大に伴ってイーコマースによる収益性は今後もますます上がっていくと予測している。

世の中、10年単位の時間軸では信じられないことが起きてしまう。10年前までは、世界の為替マーケットの王者はシティバンクだったが今は違う。バークレイズがその当時、15位程度だったことを考えると隔世の感がある。このことは完全競争に近くかつ成熟化が進んだ為替業務でさえ、やりようによって大きなビジネスチャンスを掴むことができるひとつの例だ。環境の変化に対応しどのように自分自身を変革していくか、つまり如何に将来を予測し、それに対して如何に素早く行動するかがビジネスの要諦だと思う。

十分な規模の経済とマーケットがありながら、そこで本来発揮すべき能力を使って業務を展開しようとせず、また慣行やしがらみがあって外の力を呼び込ませないような現在の日本の枠組みでは、経済を本当の意味で回復させることはできないというのが、為替市場での経験を通していつも感じていることだ。グローバルベースでの競争はもはや不可避であり、欧米並みにあるいはそれ以上に創造的にかつ戦略的でないと現在の日本の閉塞感をブレイクスルーすることはできないと思えてならない。

■為替で「フェアネス」を知る

「フェアネス」も為替を通して見えてきたものだった。このフェアネスを知ったということは、為替に従事している者としてだけではなく、一人の人間として価値のあるものになった。フェアネスは、人によって定義は異なるだろうが、僕は、努力し成功した人が報われることだと思っている。

自由なマーケットで皆同じ立場に立って、マーケットのプライスの動きに対して挑戦していく。考えて考えて考えぬいた末に、買うか売るかの選択だけをする。その中で結果が出てくるか出てこないかについては、誰にも文句を言えないし、原因を転嫁することもできない。ディーラーは誰かと闘っているのではなく、市場と闘っているのだ。誰かのせいで負けたなんていう人はどこにもおらず、全ての結果は自分の責任である。だから、市場参加者とは誰とでもしがらみも癒着もなく、誰と会っても自由に話せるという関係ができる。こういった意味で為替市場は極めてフェアなマーケットだと思う。

これまでご指導いただいた諸先輩は、坂本軍治さん、酒匂隆雄さん、澁澤稔さん、中山茂さん、福間勝利さん、水野一郎さん、など、極めて紳士な方ばかりだ。真摯に人の話を聞き何かを吸収しようとするし、後輩に対してであっても偉そうなことは一切言わない。謙虚さとは、別な言い方をすれば素直であるということと思うが、それが当たり前のよういできる方ばかりだ。こうした多くの尊敬すべき方々知り合うことができたことは、為替市場ならではのことだと思っている。

■相場観とポジションの期間を一致させる

為替市場は、誰でも参加でるが、誰でも支配できない、当局だって支配できないマーケットだ。それゆえに、ものを見る目がしっかりしている人としっかりしていない人とではその結果がかなり違ってくる。まず、自分自身をどういうふうに認識するかが、とても大きなファクターになる。どういうことかと言うと、頻繁に売ったり買ったりしている短期トレードの人もいるし、非常に長い期間ポジションを保有している人もいるが、結局自分にはどういったスタイルが向いているのかわかっていることがこの世界で長生きするひとつの秘訣ではないと思う。

僕の場合は、時には長い相場観のもと大きなポジションを長期間保有することもあったが、振り返ってみるとそういったポジションよりも、一週間以内の相場観で取ったポジションの方が格段に戦績がよかった。つまり、自分の相場観は実は一週間程度のものだったということだ。人にはそれぞれにおかれた条件(環境)と夫々のキャラクターとキャパシティというものがあって、持ってはいけないポジションの大きさだとか、取ってはいけない期間の長さだとかがあるということを自分の戦績を通して認識した。

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この経験からいえることは、FX投資家の方は、1カ月ポジションを持ったら勝つパターンなのか、1週間持ったら勝つパターンなのか、3日で勝つパターンなのか、あるいは、1日の中で何ども短期トレードを繰り返して勝つパターンなのか、自分が本当に勝つパターンをつかむようにされてみることが重要だということだ。また、その人の相場観とポジションを保有する期間は、できれば一致したほうがいい。実は、そこのミスマッチをしている人が、案外多いのではないかと思う。

僕は、55歳なので、ビジネスマンとして既に30年以上の時間を過ごしてきている。この間、為替市場というものを通して多くの物事を見聞きし、ビジネスマンとしても一個人としても非常に貴重な経験を積ませてもらってきた。これら培ったもので、もしかするとまだ何かに挑戦できるかもしれない。それについては、これからまた歩きながら考えようと思っている。

(全編終了)

*2011年03月03日の取材に基づいて記事を構成
 (取材/文:香澄ケイト)

【前編】アメリカビジネスに開眼
【中編】生の情報収集に奔走
【後編】グローバル競争での創造性と戦略性

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