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『勝負の分かれ目、9・10月の雇用統計と討論会の好感度(2)』 ―明石和康氏

2012年09月24日(月)

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<<『勝負の分かれ目、9・10月の雇用統計と討論会の好感度(1)』へ

― オバマ氏とロムニー氏の政策の違いを説明していただけますか。

端的にいえば、「大きな政府か、小さな政府か」ということです。この対立軸こそ、冷戦後の米国社会の特徴です。基本的に民主党は政府が社会に色々な形で関与し、財政措置を講じるスタンス。一方、共和党は民間の力でやっていくのが原則ですから、税金にしても連邦政府は最小限徴収すればよいという考え方です。

この対立軸が1990年代以降、強調されながら今日に至っています。その前の冷戦時代には対ソ連という一点で米国は超党派で団結していました。ところがソ連が崩壊してしまい、超党派でまとまらなくても米国が窮地に追い込まれるという脅威がなくなったことも、「大きな政府か、小さな政府か」という対立軸が鮮明になった一つの理由です。

2008年の大統領選ではブッシュ時代はもう清算すべきだろうという空気になり、オバマ氏が圧勝しました。オバマ氏は中道左派であり、本来それほどリベラルではないと思いますが、民主党予備選を勝ち抜くためにヒラリー・クリントン氏との対抗上、リベラルな有権者の支持も取り込もうとして中道左派よりも少し左にシフトした感があります。

オバマ氏は選挙に強い政治家です。しかし、再選を目指す上では政策の中身が弱いのではないかと思います。カーター氏やブッシュ(父)氏は経済でつまずき再選を逃しており、今回のオバマ氏も圧倒的な強さは見せられないでしょう。衰えた米国を立て直そうと外交面では一定の成果を上げており、リーマンショック対応でも一定の評価を得ましたが、それで十分ではありません。

大恐慌時代のフランクリン・ルーズベルト大統領のように社会を劇的に変革するような政策を打ち出す必要があるのですが、残念なことにオバマ氏にはそういったビジョンや実行力がないように見えます。

― オバマ氏が「チェンジ」を宣言して大統領に就任した割に、米国社会はあまり変わらなかったということですか。

そう思います。現在リードしているオバマ氏が最後に負けるリスクがあるとすれば、それは若者の票だと思います。大学・高校の新卒者の失業率が23%程度にまで悪化しています。大恐慌後、最悪の失業率が25%ですから、若者だけをとり上げると非常に危ない状況になっています。

― 今回の大統領選が日本に与える影響をどう予測されますか。

色々な意味で日本の地位が下がってきています。経済的な問題のほか、安全保障や尖閣諸島や竹島をはじめ外交問題についても、対応能力がどんどん落ちてきているように思います。とりわけ、日本が民主党政権に交代してから日米関係は完全に壊れてしまいました。

大統領選の結果、民主党のオバマ政権が続いても、あるいは共和党のロムニー政権になったとしても、米国の世界戦略における日本の位置付けは更に下がることでしょう。これが一番の問題なのです。陣容から言うと、共和党の方が日本を理解している人が多い。ただ、ロムニー氏自身はどうでしょうか…。

対照的に、オバマ政権下では韓国の比重が日本より高くなり、特に安全保障に関して米国が寄せる信頼度が日韓で逆転しています。李明博大統領のビジネスマン的感覚に基づく政治手法が、オバマ氏の手法と一致したのでしょう。北朝鮮問題でも、これまではまず日米でしたが、今や米韓が先で日本は後回しです。

一方、中国に対しては、もしロムニー政権になれば最初のうちは米中関係が緊張するかもしれません。しかし、本気で喧嘩することはできません。いかにして中国を抑えつつ協力を模索していくかが、米国にとって大変重要な課題になります。

― 日本に居ながらにして、国際政治を見る眼を養うにはどうしたよいでしょうか。

誤解を恐れずに言うなら、日本の新聞は読まない方がよいでしょう。

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国際情勢に限れば、日本の新聞は情報量が決定的に不足しており、分析力にも乏しい。ではどうしたらよいか。信頼できる外国の新聞あるいは雑誌を定期的にきちんと読むことが大事なのです。私にとっては、米国の政治を分析する上ではニューヨーク・タイムズ紙が最も優れたメディアです。問題の捉え方や今後の展開を予測させる分析力という点で、もちろん執筆する記者の力量で記事の質にはバラツキもありますが、総合的には相当に質が高いと思います。毎朝、仕事を始める前に、同紙の日本版であるインターナショナル・ヘラルド・トリビューンに1時間、いや30分でも目を通すべきでしょう。1日1本でも構いません。その場合、(各界の識者が投稿する)オプ・エドという意見表明の欄が大変参考になるでしょう。

そのほか、新聞なら米紙ウォール・ストリート・ジャーナルや英紙フィナンシャル・タイムズ、雑誌なら英誌エコノミストなどもよいでしょう。ただし、債務問題に端的に現われていますが、英語メディアによる欧州大陸の報道には一定のバイアスが掛かっており、フランスやドイツなどのオピニオンリーダー的な新聞に直接当たることも必要です。とにかく、定点観測により自分の興味のある記事を毎日見つけるようにしてください。そして、自分なりに考えをめぐらせることです。

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