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[第234回] Global Code of Conduct(GCOC)

2017年04月03日(月)

FX Global Code: May 2016 Update
http://www.bis.org/mktc/fxwg/gc_may16.pdf

BIS主導で現在Global Code of Conductを制定する作業が進んでいることはある程度の方々がご存じだろうが、割と上流の話につきみんなが知っている感じがしないのでここで紹介しておく。

これは何かと言えば、BISが主導して国際的外国為替取引について、各国の中央銀行(On the central bank side)と国際銀行を中心とした金融機関、ザクッと言えばインターバンクメンバーを中心に、先物業者やファンドたちもふくめて(On the private sector side)外国為替の卸売市場(wholesale)における共通のガイドライン(Guideline)を作ろうというものである。目的は、卸売市場を、柔軟で、公平で、流動的で、公明で、適度に透明性を持った市場(a robust, fair, liquid, open, and appropriately transparent market)に育成(promote)することである。
これはガイドラインであって法律でとか規制ではない。あくまでも国際的な最良の商習慣の実現のため各国の法律や規制を補助するものである。

内容についてはおおむね以下のことが書かれている。以下は私の意訳につき、ニュアンスの違い、誤訳等あれば原文を優先することは言うまでもない。以下イタリックで表記した部分は原文意訳を示す。

倫理規定:市場参加者(以下“参加者”)は倫理的で専門的な(プロとしての)自覚をもって公平性と「整合性」(上述の下線を引いた部分)を伴う行動をするべし。

ガバナンス(統治):参加者は普遍的で透明なポリシー、過程、そして外為市場において責任あるかかわりを促進する組織構造を保持する。

情報共有:参加者は透明で正確な情報共有に努める。また、市場において「整合性」を支える有効な情報共有を促進する「機密情報」を保護するべし。

執行:参加者は、「整合性」を促進する多延に取引の交渉と執行において十分配慮するべし。

リスクマネジメントとコンプライアンス:参加者は、市場とのかかわりにおいて発生するあらゆるリスクについて効果的にそれらを認識し、計測し、監視し、管理し、そして報告するために、普遍性のある規律(control)とコンプライアンス(法令順守)環境を維持すべし。

確認と決済過程:参加者は、予測可能で、スムーズで、タイムリーな決済を促進すべく「整合性」とリスク軽減的なポストトレードプロセス(取引後処理)を導入すべし。

これらの指針は要するに各金融機関が行う外為取引における普遍的な(グローバルな)最良執行(good practice)とは何かを具体的に文章化する過程であるようにも見える。

ここで策定されるGlobal Codeは世界中の外為市場にかかわる参加者(buy side/sell side, ノンバンクの流動性供給者(つまりFX業者等)、 operators of Trading Venues(システム業者、例えばEBS, Bloomberg, Reuters, Currenex, Integral等々)そしてその他のブローカー(仲介媒介業者)や執行、決済業者(CLS, CCP等決済・清算機関)かかわるすべての参加者に適用されるべきである。かといって普遍性がありかつ“ひとつで誰にでもフィットする”ものなどない。しかしその中でも責任ある市場参加を実現するための参加者共通のガイドラインを確立することをこのGlobal Codeは目指すものである。

※上記()の具体例は筆者挿入

となっている。以下順番に細かく方針が書かれているが全部を和訳する気はないので、さわりだけ。

ETHICS(倫理規定)

ここでは以下3つの原則が並ぶ。

原則1:参加者は最高の倫理的基準に従うよう努力する。

繰り返すように、客に対して公正(honest)、平等(fair)であること、参加者に対して一貫性と適度な透明性をもって接すること。疑問を呈するような商行為やふるまいを生み出さないよう「整合性」をもって行動することを強調する。

原則2:参加者は最高の専門家としての基準を維持するべく努力する。

最高のプロフェッショナリズムを持てというのだが、それは以下のことに裏打ちされた資質であると続く。

関連する法律についての十分な知識とその遵守
関連する業務についての十分な経験と技術的な知識と資質
十分な能力と技術をもって行動すること

などである。

参加者は、専門性をもって任務を遂行できる適切に訓練され経験のあるスタッフで構成されるべし、と続く。

原則3:参加者は利益相反を特定し対処すべし。

要するに客にわからなければ客の不利、つまり自分の有利になるように仕向けるようなことをしてはならないという話。
参加者のスタッフ(要するに社員)は、以下の点に気を付けるべしと続く。

客と利益相反する状況
個人的な関係
社用接待やプレゼント(要するに賄賂)
個人的な取引(dealing)

3つめのdealingがFX dealingを指すのかあるいはそれ以外の客との不正な裏取引を指すのかは文脈から不明だがどっちにせよよろしくないという話。

以下おおむね同じ話が違う角度から繰り返されるだけなので割愛する。

私が知るところで一つのテーマになっているのが、約定拒否である。いくら相対取引だからと言って、Las-look priceですよと宣言しているからと言って、約定拒否を連発していいのか、気配として出したレートだからそれを売りたい買いたいという意思が自分のサーバーに到着したときの内部の後出しじゃんけん的な判定基準のあり方に一石を投じる。例えば1秒以内に返ってくれば99.9%約定を保証できるレベルのスプレッドでプライスを出すべきかどうか。これはコロケーションの努力をある種無意味化する。またなんでも早くて多くて小さいほうがいいという今の流れに歯止めをかけるテーゼでもある。原則約定定拒否をしないレートを出すとなれば、今のようなスプレッドは出せなくなる。

A Case of JPMorgan

ここにこのGCOCと直接連動しているかどうかは知らないが、すでに注文を受けてから約定判定までに至るロジックやルール等について一般に開示している金融機関の例があるので示しておこう。JPモルガン銀行のそれである。
https://www.jpmorgan.com/country/US/en/disclosures/trade-matching

「うちはこういうルールでやっているので約定拒否をすることもあるがどうぞよろしくご理解を」という開示となっている。現状「うちはラストルックです」と言い切っている。また約定判定のステップは2段階あって、第一段階はまず受けた注文が約定判定対象としての条件を満たすかどうか(その客に対する与信枠は残っているか、注文の内容が検討に値する必要条件を満たしているか)、そして第2段階でJPモルガンのいろいろな内部の約定条件を総合的に吟味して約定拒否を決定する、と理解できる表現が長々と書かれている。要するに「うちの都合で約定か拒否かを判断します」と言っているようなものだ。しかし少なくともそれを一般公開するという習慣が業界において根付いていくことは望ましいのではないだろうか。

▼尾関高のFXダイアリーをご覧のみなさまへ
このFXダイアリーで取り上げて欲しい話題、また尾関さんに書いてもらいたいテーマなどあれば業界内外問いませんので、「件名:FXダイアリーへの要望」として info@forexpress.com までご連絡ください(コラムへの感想でも勿論結構です)。



Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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