外国為替取引ニュースサイト FOREX PRESS

会社概要

お問い合せ

ニュース受付

HOME > 為替コラム

先月

2016/10

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

来月

[第225回] 金融庁超高速取引の規制強化検討、業者を登録制へ

2016年10月27日(木)

▼金融庁:超高速取引の規制強化を検討、業者を登録制へ−欧米も参考に(Bloomberg)

結論から言えば、「業者」を登録制にするという手法が超高速取引(HFT)を規制しうるかについては疑問が残る。とはいってもそもそもHFTを規制する「内容」が大事であってそれはこれから明確になっていくのだろうが、今日はすこしそれに先んじて端折った話になる。

まずここでいう「無登録業者」とはだれをさすのか。HFTをするのは何も“業者”だけではなく“個人”でもできる。法人であるとは限らない。また、登録義務化で捕捉しても、HFTを実行するプログラムを開発し運用に乗せていく人間がそうした業者を渡り歩けば意味はない。登録していない業者がある日突然「HFT取引」に該当するとわかるまでにどれくらいかかるだろうか。またそれを検知するのは証券会社の義務とするなら彼らはすべてそうした検知機能を有しているのか。さらに有しているという確証を当局はどう担保するのか。

ネット証券から出てくる自動ロスカット注文もHFT並みの影響力を持っているがそれは対象外か?日本においてはむしろこっちのほうが私としては気になる。

そもそもHFTは市場に安定的な流動性をもたらす貴重な存在(善人)であるのだが、一方で彼らが相場水準を極端にゆがめる暴れ者(悪人)でもあるという認識がある。よくフラッシュクラッシュを引き起こす犯人として悪者扱いされることが多いが、かれらとてみんながみんなそれを意図しても、望んでいるわけでもない。誰がHFT業者かを特定して管理するとはいっても具体的な管理の中身が重要であって、登録するとおとなしくなるというわけでもないだろう。そもそもHFTの業者を管理することは目的達成手段として正しいのだろうか。

本質的にはHFTを行う参加者が誰であるかといった特定の“誰”という犯人捜しよりも、取引所自体がフラッシュクラッシュのように急激な、売りが売りを呼ぶような事態をどう回避できるかという技術的な議論のほうが大事ではないかと思う。先日店頭のFX市場でもメイ英国首相のHard Brexit発言でポンドが1.26台から1.13台へと数分で急落しその後1.21台へと急回復するという現象が起きた。これもHFT対策必要という主張が生まれる原因となるが、こうした現象の対策として、例えば市場のボラティリティを分単位で何%以内に抑えることといったサーキットブレイク分単位ルールとかを作ればかなりのブレーキにはなるのではないだろうか。あるいは、一つのアカウントから発注される頻度は1秒以上あけなければならない(これ以降の例は取引所ではなく証券会社でないとできない)、さらには約定しなくても一日で何件以上注文をしたら手数料をとる。この辺は既にHFT対策で先行する欧州の例に倣うものだが、こういったルールを取引所や会員出る証券会社のシステムに適用するほうが実効性は高いと思える。そういうルールがシステムに実装されれば、そのあとは誰がHFT業者であるかといった議論がどれほど必要だろうか。むしろ市場参加者に対する公平な扱いという意味では業者を区別(差別)するほうが余計な問題や不公平感を生み出してしまうような気もする。

上述のHard Brexit ショックとも呼ぶべき相場のスパイクはあるべきではないとか、1.13台の約定は非現実的だからなかったことにしたほうがいい(したい)とかいう話も聞こえてくるが、個人的にはそれら含めて相場だと思っている。そこにあれこれと手を加えるものでもないだろう。いやなら巻き込まれないように自分なりの防御ルールを作っておくことしかない。

▼尾関高のFXダイアリーをご覧のみなさまへ
このFXダイアリーで取り上げて欲しい話題、また尾関さんに書いてもらいたいテーマなどあれば業界内外問いませんので、「件名:FXダイアリーへの要望」として info@forexpress.com までご連絡ください(コラムへの感想でも勿論結構です)。



Posted by 尾関高

検索

タグリスト

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0 [Login] powered by a-blog

当サイトは為替証拠金取引を中心とした外国為替の取引に関するニュースのみに特化しています。乱立する為替取引・サービス情報を一同に介し、わかり易くジャンル分けすることで投資家・投機家が欲しい情報を即座に入手できるようにと思ったのが立ち上げの主旨です。またこのホームページに掲載している内容が正確であるよう最善を尽くしておりますが、内容についての一切の責任を負うものではありません。その旨ご了承願います。

FOREX PRESS

キャピタル・エフ株式会社

2002/11/15より運営開始