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FXダイアリー

アグリゲータの提供するPoPサービス

2015年08月03日(月)

■Currenexに始まり

Integral, HotSpot, FXAll, Bloomberg, Reutersとインターバンクを中心としたアグリゲータの競争社会に、外為証拠金取引業界をその主な顧客基盤としたLMAX, CFH, FXCMが殴り込みをかけてだいぶたつ。かれらはすでに日本にデータセンターを置いた。これによりレイタンシーの弱点を克服して、より攻勢をかけようとしている。その矢先にスイスショックでFXCMがこけたが、B2Bビジネスは継続している。CFHはtradable以降あまり名前を効かない。LMAXも一部のFX業者が契約をしているがあまり目立った話は聞かない。

■アグリゲータとは

複数の流動性を提供するカウンターパティのレートを自社のシステムに寄せ集め、顧客(機関投資家やFX業者)の思うようにそれらを並べ替えて表示し、それを介して業者は効率よくカバー取引を、それぞれのCPと行うことができるというサービスである。これにより業者側は、CPごとに回線を接続したりする手間が省け、かつそれらのレートを一度に比較しながら見ることができる画面や、それらを一括して叩いたり、より有利なレートをヒットする等の付加機能サービスを受けることができる。そういう便利な存在である。その代り、取引高に応じて一定のサービスフィーを支払う。かつては画面でそれをしていたが今は自社システムに直接つないで自動化しているものがほとんどである。

■このサービスの欠点として

いくらアグリゲータが30以上のCPのレートを同時に提供できるといっても、それぞれのCPとの契約はその業者がやらなくてはならなかったし、業者の与信力は各CPが判断するものなので、取引をしてくれるCPもあれば、断られるCPもある。この問題を一発解決してくれるのがPBスキームである。メジャーどころのCPをPBとして確保すれば(それが“できれば”であるが)、あとはそのPBが取引できる他のCPとの取引は手に入れたも同然となる。3者間のギブアップ契約も必要だがいったんPBが決まればそれを拒否されることはまずない。

■では、そうしたPBを決めるに当たり

なかなか交渉やら契約やらが得意ではない業者の場合はどうか。最近は、それすら面倒を見るスキームがある。つまりアグリゲータが自分自身のネームで与信を与えPBになるのである。どういうことかと言えば、アグリゲータが自分の顧客のために自分専用の銀行をPBとして持っている。その銀行がアグリゲータに対してPBとなる。そしてそれを持ってアグリゲータは接続を希望する業者に自分自身の与信を与える。つまりPBのPBとなるわけで、これを称してPrime of Prime(PoP)と呼ぶ人もいる。たとえて言えばアマゾンが決済のサービスも同時にアマゾンとしてやってしまうようなものである。ユーザーはそのほうがいちいち取引(注文)と決済(クレジットカード会社のHPへジャンプしたりとめんどくさい操作)を別々にやらずに済む。

■PoPのメリットは

上段で例を挙げたとおり、業務コストが下がる。業者が個々のCPと自分で契約する能力が低い場合、それらをPoPがすべてやってくれる。“すべて”の中には、欲しいCPとのレート配信接続、CPとのより良いレートの交渉、一括資金決済業務、与信管理、契約面すべてである。さらにいいことは、こうしたアグリゲータのPoPは、銀行CPと直接契約するときよりも低い証拠金率を出してくれることが多いことである。つまりアグリゲータのほうが与信についてはアグレッシブということである。

■問題は

CPごとにラインを引く方法と、アグリゲータにおんぶにだっこですべて任せる方法ではどっちが業者にとってメリットが多いだろかということである。

■与信力の高い業者の場合

世界中のLPとしての流動性を提供するどの銀行ともラインがもらえる前提で考えるとその選択肢は20を超えるだろうが、はたしてそこまで必要かと考える。メジャー通貨だけを考えるなら上位8社もあれば十分だと思っている。何をもって上位とするかに議論はあるだろうが、この業界は狭いのでちょっと調査すれば大体わかる。あるいはEuromoneyという業界雑誌がある。ここでは定期的に市場アンケートをとってそれぞれのサービスの観点から順位を発表している。それを参考にすることもできるが、アンケート参加者自体にある程度のバイアスやらなんやらかんやらの力が働いたりするかもしれないので盲信はできない。マイナー通貨を取引する業者はその通貨に強いCPを選びたいと思うだろうからそれは上記の“8社”以外になる可能性もある。

■PoPを使う場合気を付けるのは

そことの回線が途絶えたときにどうなるか、@バックアップは大丈夫かということと、回線が大丈夫でもプライスフィードエンジンは大丈夫かということで、それらがまずシステムに対するデューディリとして頭に浮かぶ。次が、A自分が考えるCPがすべてそのアグリゲータの裏側にいること。そして、PoPサービスにおけるB証拠金率とC手数料ということになる。証拠金率は業界で大体常識があるのでそれと同等か未満であれば文句はないだろう。手数料はボリューム次第ということになるのでここはかなりレンジは広いと推測できる。

■使う側にとって

一つのPoPサービスと契約するだけではやはり不安だろう。経済効率から行けばそのほうが安上がりだが、そのサービスが100%の稼働率を保証できない限り、別のラインを独立して引いておきたいと思う。その分のコストはリスク担保の保険料と割り切るしかない。

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Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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