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コールの買はプットの売りとおなじか−コラムのテーマ募集より

2014年09月16日(火)

議論のテーマ募集についに反応していただいた(感謝します)。で、ご質問は、

「8月21日の「売りからはいるハイローバイナリー」について1点質問です。バイナリー業者がショートポジションの保有を扱っていないという点についてですが、バイナリー業者の大半が プットバイナリーオプションの買いを扱っています。これは コールバイナリーオプションの売りと取引効果的に同じだと思いますがいかがでしょうか?」

今日は、これについてつたない知識を振り絞ってお答えしたい。

そもそも論として、オプションの場合コールであれプットであれ、オプション(権利)を買うか、売るかでは正反対のリスクがみえてくる。専門的にいうとオプションの売りは、それがコールだろうが、プットだろうが、ベガ(ボラティリティに対するリスク)、ガンマ(スポットの動きに対するリスク)はショートになる。つまり、市場のボラティリティが上がると損が膨らみ、原資産市場であるスポットが今のレートから逃げていくと追いかけなくてはならない。つまり合わせると相場変動が高まるのは“困る”ということになる。あと、セータ(時間的リスク)としては、時間的価値が減っていくので、期限が迫れば迫るほどありがたいということになる。もっとわかりやすくいえば、オプションの売り手にとっての味方は時間だけだともいえる。逆に買い手は、ガンマロング、ベガロングなので、相場が動けば動くほど有利であり、逆に期限が近づくほどに不利になるので、ベガ、ガンマは味方だけど、セータは敵ともいえる。

 デルタヘッジをする前提かしない前提かで見え方は変わるが、業者やインターバンクディーラーが原資産でのヘッジをする前提であるとなると、プットかコールか、そのストライクが遠いか近いかはあまり意味がなくなる。デルタポジションの変動分=ガンマを常にヘッジする、いわゆるダイナミックヘッジをする前提がある限りは、常にプットサイド、コールサイドそれぞれが持つデルタ値の合計を見るので、ストライクがどこにあるかとか、プットかコールかということをあまり気にしなくなる。かれらはそれらをネッティングしたデルタ値(ガンマ)を見て適宜ヘッジをしているからである。

 なので、ご質問の、コールの売りは、プットの買いと同じかについては、リスクの観点から同じではないというのが私の回答になる。ただしハイローバイナリーの現実面から見るとどうなるか。この商品は上記のダイナミックヘッジなどできはしない。10分が2時間になったからといってやっぱり無理。そうなると損失(支払)と利益(受取)の事象は、客とのプレミアムの授受とペイアウトの授受しかない。業者は常に、コールでもプットでも両方のプレミアムを受取り、結果としてコール側かプット側のどちらかのペイアウトを支払う。同値で終わったので中立となり、もらったプレミアムをプット側コール側双方に返すという事象は結果なにもなかったのと同じなので考慮しないとして、

客に売りをさせない場合(A)のモデルは、

業者の利益A=
客から受け取ったプレミアム全額 - 客に支払ったペイアウト額(プットもしくはコール)

客に売りもさせる場合(B)は、

業者の利益B=
(客から受け取ったプレミアム全額 - 客に支払ったプレミアム全額) - (客から受け取ったペイアウト(プットもしくはコール)全額 - 客に支払ったペイアウト(コールもしくはプット)全額)

になる。業者の受け取るペイアウトがプット側であれば、支払うのはコール側となる。

このビジネスモデルには、デルタも、ガンマもセータも、ベガもないに等しい。あるのは上記の受取と支払のイベントを式にしたモデルだけであり、そこでのコントロールパラメータは相場(原資産市場)が動くたびに変化させることができる受取と支払のプレミアム価格である。
式を簡単に見せるために以下の代数を用いる。

業者の利益(B):BrokerProfit
客から受け取ったプレミアム全額:PremRec
客に支払ったプレミアム全額:PremPaid
客から受け取ったペイアウト(プットもしくはコール)全額: PORec
客に支払ったペイアウト(コールもしくはプット)全額:POPaid

BrokerProfit=(PremRec – PremPaid) +(PORec –POPaid)

何が言いたいかというと、最終的には、客に提示するプレミアム価格をどう調整するか(これはほぼ全業者がBSMを使っているようだ)と、その理論的な仲値からどれくらいビッドアスクを離すかの2点しか業者として調整できるリスクコントロールツールはないということになる。

そういうわけで、コールの買いはプットの売りとは違うということを以上の解説で説明できているだろうか。

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Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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