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新バイナリーオプションを比べてみた(後半)

2013年12月09日(月)

>>新バイナリーオプションを比べてみた(前半)はこちらから

■で、勝てるのか?

経験のため実弾1万円、1万円、5千円と3社でやってみたが、現在元本割れしている次第である。これから勝ちにいくべく、研究するとしよう。こういうのは研究して傾向をつかんで統計的にアプローチする冷静なトレーダーが勝ちやすい。勝率の高い事象に賭けるのである。気分でやっていると私のようにすぐなくす。

■開示されるデータ

各社毎月以下のようにデータを開示することが義務付けられているので、右側の%の数字を見れば、100人中74人は累計で損を出しているということがわかる。どの業者でもそんなにブレはないから、この比率はかなり普遍性がある。普通のスポット取引の場合、米国では同じような数字の開示が義務付けられ、それは業者により幅が60%台から70%台までぶれているが、この数字とあまり変わらない。それが日本にも当てはまるとするなら、スポットでもバイナリーでも儲かるか損するかの口座比率はあまり変わらないということが仮説として見えてくる。

ちなみに左側の%は100%からこの数字を引いた分が業者の利益になる。仮にCPでカバー取引をしていると全体としてその額が確保されたかどうかはわからないが、カバーしていない前提で考えて、今月の販売額が1億円だったとすれば500万円ぐらいが業者の儲けだったんだとわかる。見た目FXよりも利益率は良さ気に見えるが、背負っているリスクの割には、どうだろう。

画像(313x299)

(出所:フォレックスマグネイツより)

数字として有効かどうかはわからないが、左の%マイナス右の%という計算をして降順に並べると、以下の表のようになる。つまり、より支払額の利率が高く、より損失発生口座比率の低い業者を暗示する。

画像(389x300)

当然、各社微妙に商品仕様が違うのでどこが有利不利というのは個人個人で違う。この順位も毎月変動するだろう。心配なのは支払額の割合が100%を超えるケースである。そうならないように各社頑張ってもらいたいものであるが、超えたとしても別段おかしな話ではない。むしろ一度も超えない方がおかしいとすら思える。そこまで投資家が正規分布するのかと思ってしまう。たとえ支払額が100%を超えても裏でうまいヘッジが行われていれば業者がこの商品で損を出したとは言えない。ディーリング損益と客への支払い額は別の次元の話である。

■気になる点

ヒストリカルボラティリティ
みなヒストリカルボラティリティを使っていると言っていること。インプライドの要素をどこに入れているというのだろう。重要な経済指標をまたぐ、またがないでインターバンクのオーバーナイトオプションもIVは大きく違うのである。

ストライク
ストライクが固定的であること。その代りプレミアムで調整されれば構わない。そうであっても中長期的にはストライクの距離はその時々のボラティリティに応じて変動するものだと想定してみている。コモディティ化の観点から言えば、ストライク幅はあまり変えないでプレミアムを変えるほうが受けやすいか。

売りから入る
売りがあってもいいではないか。売る人は最初から受け取るプレミアム+おいている証拠金がペイアウト額以上であれば業者のリスクはない。また、買いはリスク限定ということば業者の宣伝文句で強調されるが、売る側もリスク限定なのである。最大売ったオプションの口数xペイアウト単価なのだから。個人投資家が売るとき、これが当たったら今もらうプレミアム+それ以外の口座残高≧ペイアウト額でないと売れないという条件さえコントロールできれば売らせてあげても構わない。その方が業者が抱える潜在リスクは減るのではないだろうか。

還元率(上図(a))
今は還元率が100%未満であるが、そのうち何度か100%を超える事態が発生するだろう。もし1年たっても一度もそういうことが起きなかったら相当市場が動かなかったか、ワンサイドに狙ってくるアービトラージャーが出なかったということになるのか。
基本苦しくなったら販売停止という話は聞きたくないものである。廃止ならいいが、都合の悪い時は窓口締めますではカッコ悪い。“コモディティ化された金融商品モデル”としての不完全さを露呈することになる。
全体の構成としては、もう少し改良の余地はあるかと思うが、こうした新商品を各社が知恵を絞って世に送り出していくというのは、その業界が活発に活動していることのあかしであり、とくに店頭市場であることの魅力でもある。機会があれば本商品提供業者の方々と意見交換をしてみたいものである。

モデル
ブラックショールズに手を加えずにプレミアムを計算すると損益曲線が非線形になるが、それに反して対顧客のリスクイクスポージャは垂直(バイナル)に立つ。そのズレをどう扱っていくか。あるは扱っているのかが興味深い。近似値というにはなかなかしびれる額のずれが出るのではないだろうか。

この商品の市場規模
それを投資家の支払額で考えるとおよそ月間10億円から20億円ぐらいあるのではないかと推察する。月間20億円として(少し多すぎるか?)、単純にコールとプット半々に賭けられたと考えると片側10億円。一か月20日として、一日あたり5000万円。一日10回あるとして、一回あたり500万円。ストライクを片側一つと考え、その加重平均がスポットから10銭アウトだと考え、それをブラックショールズの普通のモデル、すなわちヨーロピアンバニラでなぞり、2時間後のスポットから上下10銭にストライクを置いたストラングルを買うとするとスポットの想定元本が5千万ドルx2になる(50本/レッグ)。同デルタストラングルで買う限りデルタニュートラルなのでスポット市場に与える影響はない。が、ダイナミックヘッジをするとなると、ガンマショートになるので相場の動きをより加速する側に働くことになる(つまりレンジから出始めるとそれを追いかける)。実際にそのようなことをしているかどうかは知らないが、あくまでももしやっていたらである。この程度のイクスポージャがスポットマーケットに与える影響はほぼないと言っていいだろう。




Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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