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『北極に立って為替相場を読む』 ― 小池 正一郎 氏

2013年07月30日(火)

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「2014年までは米景気回復と米ドル金利上昇に加え、日本の量的金融緩和の継続を背景にドル高円安は続く。しかし、米国中間選挙後の2015年以降は、米国の財政赤字拡大懸念再燃でドル不安が台頭しドル安へ転換する」。これが、ポリティカル・エコノミーの観点で筆者が読んだ、今後3年間の米ドル為替相場予想である。

ドル円相場には、「民主党大統領で円の最高値を付ける」との歴史的なアノマリーがある。カーター(1978年)、クリントン(1995年)、オバマ(2011年)と3回続いた。前2回はいずれもその後大幅なドル高に進んだが、今回は政治的経済的に様相が異なる。ドルの一方的な上昇とは考えにくく、2013年末までは95円〜108.50円(年末105円、以下同じ)、2014年の年間レンジは95円〜115円(112円)、2015年は90円〜110円(95円)と予想している。
さて、筆者の経歴は外国為替一筋である。1972年に外国為替との付き合いが始まって以来40年余り、常に為替の世界に携わってきた。その間に身に付いた手法が、「経済は政治が決めるとの観点」で国際金融を読む「ポリティカル・エコノミー」であった。その極意は「北極に立って世界を読め」である。

では、今は何が見えるか?米国から地球上にばらまかれたお金が、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和終了を見越した投資家、投機家により、米国へ戻っている。いわゆる、グレート・リロケーションあるいはリバランス(世界的な分散投資先の変更)である。しかしよく見ると、逆に米国から流れている動きも見える。これは「エンド・オブ・アメリカ(米国繁栄の終焉)」と呼ばれる米国の財政破綻リスクを回避する資金の流れだろう。たしかに米国財務省から発表された最新の米国国際証券投資報告によれば、今年2月から連続4ヶ月米国から資金は流出している。5月は、外国公的部門からは438億ドル米国に流入しているが、一方民間と米国人合わせて710億ドルもの資金が国外へ流出している。まだ流れに逆らい遡上する小鮎のようだが、決して軽んじてはいけない兆候と考えている。

一方欧州との間は両方向だ。ユーロ危機解決には相当時間がかかるとの認識から、良くなる前に悪くなるとの見方は根強い。特に今年9月22日(予定)のドイツの議会選挙を備えて、ユーロ統一を主導しているメルケル政権が、大きな政策決定を行うとは考えにくい。3選を狙っているメルケル首相率いる与党連合(キリスト教民主/社会同盟)が単独での過半数獲得が難しくなっているからである。その上、現在連立を組んでいる自由民主党が支持率で低迷しており、かつ反ユーロを掲げる政党(AfD:ドイツの為の選択肢)が存在感を増している。メルケル首相にとって、ユーロ可否の議論の引き金となる政策を取りにくい状態だ。短期的にはユーロは当面1.3000ドルを挟んで一進一退を繰り返すであろう。

さて、もっと近づいて為替市場を眺めると、為替取引で苦労している為替ディーラーの困った顔が多く目に付く。足元を見るとバーナンキの発言や経済指標発表に一喜一憂し、相場が行ったり来たり、収益が安定しないことで悩んでいる様子だ。しかし目を凝らしてみるとその中で一人涼しい顔をしているディーラーがいた。その理由を尋ねるとこんな声が聞こえてきた。

「為替相場は、上がるか下がるかの確率が50%。つまり、勝つのも簡単、負けるのも簡単。だから難しい。市場はどの人にも平等だ。為替のプロといえども長く収益を上げ続ける人は、万に1人いるかいないかだ。大切なことは、自分の考えを持ちながら、時には長いものに巻かれる切り替えを上手にできることだ。進化論で有名なダーウインの言葉にもある。『最も強いものが勝つのではない。最も変化に敏感なものが勝つ』」。

この言葉にうなづけられることがある。セミナーや大学の授業で、あるチャートを見せて売り買いを決めてもらうと、面白いことに、いつも売り買いがほぼ半々(時々5.5対4.5)になることだ。参加者にはこれが市場だということを実感してもらえる。ここで、その後の処理に、先の収益を上げ続けている人の言葉に当てはまることを説明するのである。
入口は買うか売るかはどちらでも良い。問題は出口である。重要な点は、相場展開が自分の作ったシナリオにあっているかどうかを常に意識していくことである。相場が自分のシナリオから少しでも外れている場合は、躊躇しないで決めた通りにポジションを手仕舞いする。100戦100勝する必要はないし、それはほとんど不可能だからだ。「損切りは機械的に早く!、利食いは利乗せを使いながら戦略的に!」である。

もう一点「相場は動くことを当たり前に思うこと」もある。為替は「24/7の世界(一日24時間・一週7日間・休みなし)」。ただ大きく動くのは年に数回。しかし、動き出すタイミングをつかみきれず、乗れず、そして気がついたときはその流れの終盤、ということがよくある。その動きをつかむためには、小さな金額でも、常に市場に参加しておくことが大事。これが「当たりを待つためのえさまき」である。

さて、日本では選挙で自民党が圧勝、これでアベノミクスのさらなる効果を期待し、資金流入が加速するだろう。しかしそのヘッジ売も同時に入ることも考えておかなければならない。ドル円相場が一方的に進むかどうか、アタリ待ちを続けていきたい。

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