外国為替取引ニュースサイト FOREX PRESS

会社概要

お問い合せ

ニュース受付

HOME > 為替コラム

先月

2012/9

123456789101112131415161718192021222324252627282930

来月

FXインサイト

『勝負の分かれ目、9・10月の雇用統計と討論会の好感度(1)』 ―明石和康氏

2012年09月24日(月)

画像(635x160)

4年に一度の米大統領選が11月6日に行われる。一般的に「現職有利」とされる選挙だが、今回は民主党オバマ大統領と共和党ロムニー候補が大接戦を演じている。世界最大の経済を抱え、世界最強の軍隊を率いる米大統領は国際金融市場に大きな影響を及ぼし、日米関係の変化はドル/円相場にも色濃く映しだされる。大統領選の帰趨を占う上で、FX投資家が着目すべきポイントは何か。ワシントンやパリ、サンパウロで特派員として活躍し、国際政治取材の経験が豊富な時事通信社解説委員長・明石和康氏にインタビューを行った。

― 2001年のブッシュ政権発足後、9.11同時テロが起こり、米国社会は様変わりしましたか。それとも、基本的には変化がないのでしょうか。

米国の社会自体は大きく変化していないと思います。しかし、同時テロ後の共和党ブッシュ政権と世界との関わりを考えると、それ以前とは随分変わったように見えます。私は時事通信社ワシントン支局長として、ブッシュ政権の誕生直前から2期目の就任まで現地で取材を続け、次第に米国が全体的に衰えてきているのではないかと感じました。世界における米国の地位が低下しているのに、米国自身がそれに気づいていないのです。

具体的に言うと、ブッシュ政権はアフガニスタン戦争とイラク戦争によって予想以上に消耗してしまいました。当時、ラムズフェルド国防長官は「有志連合」を標榜しており、一緒にやるという国は構わないが、やる気がないなら結構だというスタンスでした。裏返すと、米国には圧倒的な実力があり、軍事面では単独でやれる自信に満ちていたのでしょう。

1990年代、民主党クリントン政権下の米経済は非常に強く、財政は黒字で雇用も伸びるという黄金時代であり、ブッシュ政権はそれを受け継いでいました。同時に、ソ連が崩壊したため、唯一の超大国となった米国は自信を深め、それが過信につながったのだと思います。その結果、アフガニスタンやイラクでの戦費が膨れ上がり、3年連続で財政赤字は1兆ドルを突破しています。

何とか立て直そうと現在の民主党オバマ政権は恐る恐るですが、地道に政策課題に取り組んでいるというところです。ブッシュ政権時代と比べ米国のイメージは多少変わってきたとは思いますが、それでも対テロ戦争での外交的な指導力の喪失と軍事面での過大な負担が大きく響いています。また、サブプライム問題やリーマンショックに代表されるように、何でも儲かればよいという歯止めなき資本主義が進行したため、この10年間、米国は基本的には衰退が続いています。

― 米国版の「失われた10年」ということでしょうか。

そうなのですが、最悪期はまだかもしれません。今までは、国が傾いていても米国人はあまりよく認識していなかったのですが、サブプライム以降は「どうしようもないのでは」と悲観的になり、これから過渡期に入るのでしょう。ですから、今回は非常に難しい時期の大統領選だと思います。ただ、外から見るとこうした印象を抱きますが、米国民のマインド自体がそれほど低下したとは思いません。なぜなら、中道右派の保守的な人が多数を占めるという社会は基本的には変わっておらず、それがもう少し進行しているかもしれないと感じるからです。ですから、大統領選では共和党のロムニー氏にまだチャンスがあると思います。

― 歴史的に米大統領選は「現職有利」といわれますが、今回は大接戦と伝えられています。

最終的な開票結果は差がつく可能性がありますが、今の時点では大接戦です。9月の両方の党大会が終わった後の米CNNテレビが調査した支持率では、オバマ氏52%対ロムニー氏46%です。6ポイントの差を大きいと見るか、それとも小さいと見るか。この差が縮まっていく可能性があり、向こう1カ月半が本当の勝負になります。その行方を左右する大きな要因が、10月に3回開催される討論会です。

画像(300x260)

2000年の大統領選では民主党ゴア氏に圧倒的な存在感があり、リードしていました。今で言うと「オバマ有利」というような空気があり、1回目の討論会でゴア氏が内容的には圧勝を収め、私は「これで終わりじゃないか」と思いました。しかし、米国民にも判官びいきのようなものがあります。言葉に詰まりながらも話を続けるブッシュ氏の姿が、有権者の目に新鮮で正直に映ったのでしょう。討論会後の支持率では、ブッシュ氏が逆転しました。つまり、好感度でゴア氏を凌駕したのです。今回、ロムニー氏にチャンスが残されているというのは、10月の討論会で「オバマ氏の話には中身がない」と米国民に思わせれば、逆転の可能性があるからです。

さらに、雇用問題がオバマ氏に重く圧し掛かっています。8月の雇用統計では失業率が前月から0.2ポイント改善したものの、それでも8.1%に達しています。戦後再選を果たした大統領で失業率が最も高かったのはレーガン氏の7.4%。それ以外、7%以上の失業率で勝った大統領は一人もいません。雇用面では、オバマ氏は非常に危ない状況にあるといえるでしょう。

10月5日に発表される9月の雇用統計で、失業率がさらに上がるとか、非農業部門の新規雇用者数が10万人前後にとどまれば、「オバマ氏では経済は良くならなかった」と国民は認識すると思います。そのタイミングでテレビ討論においてロムニー氏が「私ならこうやる」といったメッセージを伝えられるなら、支持率を数%取り戻す可能性があるでしょう。11月2日発表の10月の雇用統計は選挙直前になり、有権者の関心が集中するでしょう。

また、駐リビア米大使が殺害され、非常に深刻な問題に発展しています。中東では反米デモが過激になっており、万一、また誰かが殺されるとか、大使館が占拠されるなどの不測の事態が起こった場合、「何をやっているんだ」という批判をオバマ氏は浴びるでしょう。

― 米大統領選は「接戦州を制する者が勝つ」といわれますが、特に注目されている州を教えてください。

民主党と共和党の支持州はほぼ固まっています。オバマ氏が圧勝した2008年はちょっと例外的でしたが、ブッシュ氏対ゴア氏の2000年とブッシュ氏対ケリー氏の2004年を比べると、結果が変ったのはわずかに3つの州、つまりアイオワ、ニューハンプシャー、ニューメキシコだけです。2000年はアイオワとニューメキシコをゴア氏が制し、ブッシュ氏はニューハンプシャーを取りました。2004年ではニューハンプシャーをケリーが取り返しましたが、逆にアイオワとニューメキシコをブッシュが制しています。この違いだけで、残りの州は全て同じ結果でした。

今回の選挙も基本的には変わらないと思います。現在、激戦といわれているのはフロリダ、オハイオ、バージニア、ウイスコンシン、コロラド、ネバダ、アイオワ、ニューハンプシャーという8つの州です。現状では、この8つの州ではオバマ氏がリードしています。9月13日のNBC調査では、フロリダとバージニアの両州が49%対44%、過去に大統領選で勝った候補が必ず取っているオハイオでも50%対43%でオバマ氏がリードしています。

>>この続き『勝負の分かれ目,9・10月の雇用統計と討論会の好感度(2)』へ

画像(635x130)
画像(635x100)



Posted by 大阪証券取引所

プロフィール

大阪証券取引所

コラム・インタビュー・レポート / 大阪証券取引所

大証FXサイトとの連動コンテンツ。アナリストによるマーケットレポートから、著名人インタビューまで。

検索

最近の記事

RSS1.0 [Login] powered by a-blog

当サイトは為替証拠金取引を中心とした外国為替の取引に関するニュースのみに特化しています。乱立する為替取引・サービス情報を一同に介し、わかり易くジャンル分けすることで投資家・投機家が欲しい情報を即座に入手できるようにと思ったのが立ち上げの主旨です。またこのホームページに掲載している内容が正確であるよう最善を尽くしておりますが、内容についての一切の責任を負うものではありません。その旨ご了承願います。

FOREX PRESS

キャピタル・エフ株式会社

2002/11/15より運営開始