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『がんばれEURO!がんばれ個人投資家!』 ―上田眞理人氏

2012年06月14日(木)

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2010年のギリシャ債務危機に始まった欧州の混乱は、その後2年余の歳月を経て沈静化するどころか、混迷の度合いは深まるばかりである。今や最大のテーマはスペイン支援問題となり、もはや「欧州危機」のもたらす懸念はEU(欧州連合)の枠を超え、世界が共有するものとなった。

欧州危機の深刻さが増すにつれ、当然のごとくEUROへの売り圧力は増し、例えば対円では今年の高値からすでに10%以上下落している。時折、希望的観測に過ぎない楽観論から妙に買い戻される場面はあるものの、対ドル、対円ともにまだ下げ止まる気配はなく、欧州危機がそのままEURO危機の様相を呈している。

「欧州域内統一通貨の導入」という壮大な構想だけに、1999年の導入以来、EUROが危機に陥ったのは今回が初めてではない。2005年には、フランスやオランダの国民投票においてEU憲法批准が否決されたことをきっかけに、EUROが売り浴びせられ、EU構成主要国の一部閣僚から「EURO離脱」発言さえ出ていた状況であった。EU憲法は未だ発効していないものの、当時は「欧州統一」という野望あるいは理想が力となったのか、EUROはその危機を乗り切った後、その存在感を増して安定した年月を過ごすこととなった。

■「さよならギリシャ、また逢う日まで」でも、EUROがそう簡単に崩壊しない理由

いわば「ズルした国」ギリシャによってもたらされたのが、今回の「欧州危機=EURO危機」であり、事はより深刻である。そのギリシャについては、EURO離脱も議論されつつある。5月6日の議会選で連立与党が敗れ、連立政権樹立を模索するもかなわず、今月17日に再選挙を迎える。ギリシャ国民の大多数がEURO残留を望む一方で、再選挙の結果次第ではSYRIZA(急進左派連合)を中心とした政権が誕生し、債務不履行を宣言することも考えられる。だから、ギリシャのEURO離脱も「ない」とは言い切れまい。

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ギリシャのEURO離脱、それ自体のインパクトはさほど大きくないことを誰しも認識しており、「さよならギリシャ、また逢う日まで」という選択肢もないわけではない。しかし、それがスペインさらにはイタリアに波及すれば、「ユーロ圏全体を覆う金融危機の負担に耐え切れなくなるだろう」という理由からフランスやドイツのEURO離脱を惹起する可能性がある。それは、もうまさしく「EURO崩壊」であろう。

しかし、極めて情緒的な想いあるいは希望的観測かもしれないが、そう簡単にEUROが崩壊するとは思わない。EUROが最も困難な状況にあることは間違いないし、この困難がさらに続くとしても大きな驚きはない。

ただ、その立場や考え方、温度に違いはあれ、EU各国、特に欧州統一の理念・理想を失ったとは思われないドイツ、そして政権交代のあったフランスでさえ問題の解決を諦めていない。さらにその他の先進諸国や国際機関も、その動機は何であれ、EUをサポートしていく姿勢に揺るぎない。こうしたことを考えると、「EURO崩壊」という結論を安易に導くことは躊躇される。

■今こそEUROにチャレンジ!外為相場は真摯な投資家を裏切らない

されど、流れは「EURO危うし」、センチメントはひたすら「落日のヨーロッパ、哀愁のEURO」である。そんな事情もあり、EURO相場、特にEUR/JPYが動いている。一方でUSD/JPYは、時々思い出したように動くことはあるものの、狭いレンジに閉じ込められている。EUR/JPYとUSD/JPYを比べれば、当然のことながら前者のほうが収益機会は大きい。(無論、損失を被る可能性も同様に大きいが…)


最近こそ、EUR/JPYあるいはAUD/JPYをトレード(外貨を買って長期ホールドというだけでなく、比較的短い期間で売ったり買ったりという意味でのトレード)をする個人投資家も増えてはいるが、本邦個人投資家にはまだまだUSD/JPY中心に相場を見たり、ポジションを張ったりする傾向が強い。しかし、動きの少ない通貨ペアを中心においてトレードを組み立てることが合理的でないことは、誰にでも理解されるであろう。今こそ、「EUROにチャレンジ!」である。

崩壊するだろう通貨をトレードするわけにはいかない。であれば、筆者がなぜEUROのトレードをお奨めするのか。「EUROは崩壊しない!」が筆者の想いであり、だからこそEUROなのである。とはいえ、EUROに対して強気だから「がんばれ!EURO」と言うわけでない。前述したように、EUROを巡る環境は、EUROを売るに十分な根拠を提供している。しかしながら、筆者はこの根拠がそのまま「EURO崩壊」を示唆するものとは考えない。

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そもそも、欧州(敢えて言えばドイツとフランス)が引き返すには余りにも勇気がいる道―欧州統一―に踏み出した時、その内包する矛盾、特に金融と財政の分離がもたらす問題を十分認識していたはずだ。それでも、悲惨な戦禍を経験し、しかも同じ大陸の中で敵、味方に別れて悲惨な戦いに傷つきながらも(たとえ米国に対するパワー・オブ・バランスという概念がその動機の一つだったとしても)、「統一欧州」を目指した理念・理想はそう簡単に潰えるものではない。筆者はそう思う。


その考えがいかに情緒的、感傷的であるか十分認識してはいるが、政治・経済に翻弄される日々の苛烈な現実を超えてなお存在する理念・理想は、欧州各国の全ての国民が共有していると信じたい。

しかし、「相場は相場」であり、理念・理想とは対極にある。そして、今筆者が思うのは当然、「EUROは売るべし!」。 トレンドは明らかであり、躊躇はいらない。ただし、「相場は気まぐれ!」。

トレンドには固執すべきだが、ポジションに固執してはいけない。EUROショートはキープしつつ蛇腹のように柔軟にポジションをコントロールして臨みたい。
外国為替相場は真摯な投資家を裏切ることはない。それだけは、確信している。

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